SSブログ

旧東海道徒歩の旅6 二宮~箱根湯本 [旧東海道徒歩の旅]

旧東海道を歩いた。(二宮~箱根湯本)

二宮_箱根湯本.gif
DAY6 二宮~箱根湯本  約16.8km


2021年6月21日月曜日午前10時、私は二宮駅にいた。
改札口上にあるツバメの巣のヒナたちは、無事に巣立った
ようだ。いまは、親鳥がひとり、ポツンと巣にとどまっている。
空(から)の巣症候群になっているのだろうか。
駅を出たところにあるセブンイレブンでジャスミンティー
を買って、すこしストレッチングをしてから歩きはじめる。

01swallow.jpg
改札口上のツバメの巣


二宮は、大磯と小田原のあいだの間の宿(あいのしゅく)
であった。間の宿とは、宿場間の距離が長いとか、
峠越えがあるなど、旅人にとっての難所区間において、
宿場と宿場のあいだにできた休憩、宿泊用の施設である。
東海道には、二宮のほか、小田原~箱根間の畑宿(はたじゅく)、
吉原~蒲原(かんばら)間の岩渕など、いくつかの間の宿がある。

二宮は、間の宿のなかでは、わりと賑わっていたようだ。
その理由は、料金が割安だったということである。
現代でいえば、格安ビジホ街といったところか。

現在の二宮は、ほとんどが国道1号線になったことにより、
宿場の雰囲気は残っていない。
押切坂上の交差点から、南に入る旧道のあたりで、
すこし、それっぽい雰囲気のところがあるくらいである。
「松屋本陣の跡」という案内表示板があったが、
そこは、ごくふつうの家であった。
国道1号線とふたたび合流するところに、道祖神があった。

03Matsuya.jpg
松屋本陣の跡

04Douso.jpg
道祖神



国府津(こうづ)に着く。
鉄道の要衝であり、JR東日本の国府津車両センター、
JR国府津運輸区など、関連施設が集中している。
その理由であるが、国府津から分岐する御殿場線は、
昔の東海道本線であったからである。明治時代から
国府津機関区など、大きな施設があった。

国府津機関区には、かつて、大型の蒸気機関車である
D52型が在籍していた。御殿場線の急坂を登るためである。
私は子どもの頃、毎年夏休みになると、父の実家がある
三重県の尾鷲まで、東海道本線を使って帰っていたのだが、
その途中、ここ国府津でD52型蒸気機関車に牽引された
御殿場線の客車列車を見たことがあった。

当時は蒸気機関車牽引の列車は、さほど珍しいものでは
なかったから、たいして気にもとめなかったけど、
いまから思えば、貴重なシーンだったな、と思う。

07Busstop.jpg
国府津保育園前バス停

国道1号線沿いにある「国府津保育園前」というバス停では、
箱根登山バス、神奈川中央バス、富士急湘南バスの3本の
停留所案内板が立っている。2本立っているところは、
数多くあるけれど、3本というのはめずらしいと思う。

バス会社というのは、非常になわばり意識が強く、
自社の領域に、他社が入ってくるのを許さない。
そのため、県境を超えて、他社の路線が入ってくることは
めったにない。
TV東京のローカル路線バスの旅で、羽田さん、田中さんが
「ああー県境かーー。」とか、
「バスがつながらないーー。」とか言っているのは、
そういった理由による。

国府津には、地元の箱根登山バスのほか、神奈川県中央部
をなわばりとする神奈中、山梨と静岡をなわばりとする富士急
が入ってきている。全国的にみてもめずらしいところである。

箱根登山バスが、小田原と国府津をむすんでいるのは、
歴史的にみて当然であるが、神奈中の平44系統は
平塚駅北口と小田原駅をむすんでいる。
え、そんなバスがあるのか、と驚いた。
まあ、1日1往復しかない。たぶん、免許を維持する
だけのために、走らせているのだろうけど。

富士急は、富士急湘南バスというグループ企業が、
新松田駅・下曽我駅と国府津のあいだにバスを走らせている。
新松田駅行きは、平日のみ4往復。
下曽我駅行きは、平日8往復、休日3往復。

ということで、国府津からは、新松田を経由して、
山北→御殿場→河口湖→甲府とバスがつながる。
いつか、このルートで羽田さんと田中さん、
およびマドンナが旅をすることがあるかな、
と思っているのだけど、まだない。www

酒匂川(さかわがわ)をわたる。
箱根の山が、だいぶ近くに見えてきた。

09sakawa.jpg
10sakawa.jpg
酒匂川

(長くなったから、次回に続く)


共通テーマ:旅行