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長崎県平戸市薄香(うすか)の冨永写真館 [日本外周自転車の旅]

薄香の冨永写真館は「あなたへ」のシーンのまま、
保存されていた。


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冨永写真館の前で  2019年6月23日



みなさん、お元気ですか。

東京では、5月3日以来、感染者数がずっと
100以下となっているけど、
それでも、緊急事態宣言の延長が決まった。

まあ、それは仕方がないよね。

これほど、多くの人にひろまったウィルス感染症
である以上、
「自分は感染していない。」
と思うのは、楽観的にすぎる。

おそらく、日本人の多くは、すでにからだのなかに
ウィルスを持っていると思う。それでも発症しないのは、
要するに、その人が持っている抗体とか、
基本的な体力により、ウィルスと戦って、
勝っているからだと思われ。
ここで油断すると、ふたたび発症者数が増加する
かもしれないし。

つらいのは、緊急事態宣言をつづける根拠、
および、終結するための基準がわからないこと。

むかし、バスケットボールをやっていたころ、先輩に、
「グラウンド10周!
終わるまで練習はなしだ!」


と言われて、1年生全員で走って帰ってきたら、
「30分以上、かかってるじゃねえか。
もう10周、走って来い!」


と言われたけど。そんな気分だね。

30分以内なんて条件、言ってなかったじゃないか!
それならそうと最初に言えよ、と思ったけどな。

そんなブラックな部活にいたのかよ、と
言われそうだけど、私たちの世代の部活は
そんなもんだった。それと同じことが、現在、
国をあげて行われているんだもんな。

ま、明けない夜はない。

感染者数の推移をみれば、もうすこしで終息するのは
確実である。あとちょっとだけ、がんばろう。



このブログは、「オートバイや自転車を使った旅
が好きな人にとって、読むとホンの少しだけ
タメになること」がメインテーマなので、
旅に出られない以上、書くことがない。

けれど、それでは更新できないので、
過去に書きかけたけど、自分でイマイチだと思って、
結局、アップしなかった記事をあげてみようと思う。

え、ボツ記事じゃないかって?
...。



2019年の6月20日から27日にかけて、
長崎空港から小倉まで、420kmほど、
自転車で走ってきたんだけど。
そのとき、平戸島(ひらどじま)に渡った。

島の北がわに薄香(うすか)という集落がある。
高倉健主演の映画「あなたへ」のロケ地に使われた
ところである。

私自身は、「あなたへ」という映画については、
そんなに高く評価できない。
テーマがいまひとつ、あいまいなのと、
冒頭、富山から長崎まで、クルマで行く、と言う
主人公に対して、
「長崎まで?! 1,200キロもあるよ。」
と言って、とめようとする同僚のせりふが
気に食わないのである。

「1,200キロ? クルマなら3日で着くよ。
オートバイなら2日、自転車でも10日も
あれば着くだろー。」

と、私は思うのだ。

こういう、実際に旅をしたことがない人が
つくったロードムービーというものを、
私は信用できないのである。

ま、それはともかく。

映画のなかの薄香という集落は、なかなかきれいな
ところで、私はいつか長崎に行くことがあれば、
行ってみたいと思っていたのである。
ということで、自転車ツーリングの途中、
立ち寄ったのだ。



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冨永写真館に展示されている写真
(「あなたへ」のシーンのまま保存されている)


薄香のロケ地マップについては、いろいろな
ところで紹介されているから、省略する。
ここでは、ずばり、冨永写真館と、それが使われた
映画のシーンについて、紹介する。

ここで、主人公は、妻が少女時代に、
歌のコンクールかなにかに出場したときの写真が、
いまだに飾られているのを見つける。
そして、「ありがとう」とつぶやくのである。

この「ありがとう」の意味がわからん。

映画を見た方なら、ご存知のとおり、
主人公の妻には、かつて愛した男がいた。
そいつは受刑者であって、富山刑務所内で死んでいる。
刑務官であった主人公は、妻にとって、
その男の代わりであったのだ。

で、その妻が、
「故郷の海に散骨してください。」
という遺言を残し、主人公は、妻の故郷である
薄香に行く。
そこで、自分が生まれ育った村を見せられ、
「さようなら」と、一言だけ書かれた手紙を受け取る
のである。

善意にとれば、「あなたには、あなたの時間が
流れている。私の死後は、自由に生きてください。
さようなら。」という意味になるけど。

悪意にとれば、「私は、かつて愛した男を忘れられ
ませんでした。ごめんなさい。
私はあなたと同じ墓に入らず、故郷の海への散骨を
希望します。さよなら。」という意味にとれる。

そのどちらなのか。

いずれにしても、主人公が、冨永写真館の前で、
ありがとう、とつぶやいたのは、
「長年連れ添ってくれて、ありがとう。」
という意味ではないのである。
それだったら、妻の臨終のときに言っているはず。

私は、あの「ありがとう」の意味がわからず、
冨永写真館に行けばわかるかな、と思って、
行ってみたのである。

結論。わからんかったわ。wwwww

そりゃー、そうだよね。
でも、ひとつ、思ったのは、あの映画、ここで
終わっていれば、とても上質な作品になったのにな、
ということである。
妻の「さようなら」という手紙、それを灯台にむけて
投げ捨てる意味、そして、冨永写真館の前での
「ありがとう」の意味。


人生は思い通りにならないものだし、
人それぞれ、いろいろな問題をかかえて生きている。
それらが薄香のうつくしい景色のなかでブレンドされ、
さまざまな感情が消え去る。そして、主人公は妻を許し、
エンディングをむかえる。

これでよかったのではないか。

外国人が、そんな映画を見れば、
えええええ!?
となるかもしれないけれど、
日本人になら、わかる。
そういう深さがある。

ビートたけし、佐藤浩一との一件は、
本筋には、関係ないハナシだし。
エンディングの「自分がハトになりました」という
セリフも、なんじゃそりゃ、という感じで、
いらなかった。

妻の遺言を果たしにいって、最後に妻の本心を知る。
でも、ま、いっか。ありがとう。
それでよかったと思うんだけどな。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
長崎県平戸島の薄香は、とてもきれいなところであった。
それだけ。


この記事をボツにした理由なんだけど、
私の趣味である映画に、引っ張られすぎだと
思ったのである。
映画を見てない人にとっては、
おもしろくも、なんともない記事だもんな。www

また、このブログのテーマである「オートバイや
自転車を使った旅が好きな人にとって、
読むとホンの少しだけタメになること」とも、
つながらないし。

ということで、自分で自分の記事をボツにした
んだけど、まあ、みなさん、コロナ禍で家にいる
ことだし、ヒマつぶしにでもなれば、と思って、
リライトしたうえ、アップしてみました。



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