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札幌~青森自転車ツーリング その1 [日本海岸自転車の旅]

札幌から青森まで、自転車で走った。

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JR札幌駅にて

●走行データ
  使用した自転車   ロードスポーツ
  チェーンリング    44T-32T (2段)
  カセットスプロケット 11-32T (8段)



今回走ったコース
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人が生きていくためには「目標」が必要である。
それは、べつに大きなものでなくてもいい。

1日め 札幌駅~小樽 約36km

2015年6月12日金曜日午前11時。
私はJR札幌駅前で、自転車を組み立てていた。
ここに来るのは、およそ2年ぶりである。
今回は、ここから北海道南部の木古内(きこない)まで
自転車で走り、そこからJR津軽海峡線で輪行。
青函トンネルをぬけ、青森県の蟹田(かにた)まで
列車で行き、さらに新青森まで走ろうと思う。
※輪行とは、自転車を分解して列車などで運ぶ、という意味。

自転車の組み立てが終わり、走り始める。
北海道大学の南側をぐるっとまわり、新川通りを通って
国道5号線に入った。

札幌から小樽までは、ほとんど勾配はないものと勝手に
思っていたが、実際には銭函(ぜにばこ)をすぎたあたりから
登りになり、サミットの張碓(はりうす)トンネルでは、
標高220メートルであった。大した登りではないけれども、
ちょっと油断していたのと、前の夜、成田空港第3ターミナルで
一睡もできなかったので、へろへろになりながら登った。

途中のパーキングスペースでやすむ。
私のほかには誰もいない。
6月なのに、セミが鳴いている。
そうか。北海道は梅雨がないから、
6月でもセミが鳴くんだ。
日陰に銀マットを敷いて横になり、
北国なのに意外なくらいのセミの大合唱を
聞きながらうとうとしているうちに、
2時間くらい、爆睡してしまった。
初日は余市までの約50kmを走ろうと思っていたのだが、
あっさり、リタイアである。
先が思いやられるね。

 
2日め 小樽~蘭越町 約135km

朝6時に小樽を出発。
途中の余市でニッカウヰスキーの余市蒸留所をみる。
昨年、NHKの連続テレビ小説「マッサン」で有名に
なったところで、早朝にもかかわらず、たくさんの
女性ファンが写真を撮っていた。
私はテレビをあまり見ないので、「マッサン」がどんな話
なのかは知らない。けど、たぶん、「夫婦でウイスキーを
つくりました。いろいろありましたけど、幸せになりました」
という話なのだろうな。

積丹半島をくるっとまわる。何年か前に崩落事故があり、
20名が亡くなった豊浜(とよはま)トンネルでは、
なるべく後ろを振り返らないようにして、
一気に走り抜けた。

岩内(いわない)を過ぎ、いよいよ今回の旅のハイライト、
国道229号線の「岩内改良区間」にさしかかる。
平成25年に完成した区間で、約10kmのうち、
じつに8.5kmがトンネルである。

岩内改良.gif
岩内改良区間

私は地図を見るのが趣味という、ちょっと変わった人間
であり、地図上に記号で表現されたところが
実際にはどんなところなのか、を見に行く、というのが
私の旅の主な目的なのである。観光やおいしいものを
食べることなどにはまったく興味はない。
そんなことをして、いったいなにが楽しいのか、と思う。
もちろん、私のような人間が少数派であることは
自分でもよくわかっている。だから、私はいつも
ひとりで走っているのである。

それはともかく、この区間は、地図でみると異様である。
海岸からすぐに高さ500メートル以上の断崖絶壁が続いており、
落石や崩落などが、しょっちゅう、起こるのである。
だから、山側に新しいトンネルを掘って、旧道は閉鎖してしまう。
結果的にトンネルだらけになってしまった。
沿線人口が少ないことも、それに拍車をかけている。

雷電トンネル(らいでんトンネル 3,570メートル)に入る。
このトンネルは、岩内改良区間では最長である。
想像してみていただきたい。
約3.6kmのトンネルを、自転車で走ることを。
10分以上、ずっとトンネルの中なのである。
永遠に出られないんじゃないかと思うくらい、長いから。

もちろん、自転車にとっては、非常に危険である。
トンネル内を、クルマは時速80km以上の猛スピードで
走ってくるから。視認性を向上させるため、反射材でできた
タスキをかけ、自転車の後部とヘルメットの上につけた
赤いピカピカを点滅させながら走る。

刀掛トンネル(かたなかけトンネル 2,754メートル)を通過。
最後に磯谷トンネル(631メートル)を通って、
無事に岩内改良区間を通過した。この区間を通過するのに、
30分以上、かかってしまった。www
(つづく)


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