SSブログ

成田空港第3ターミナルは難民であふれかえっていた [旅情報]

成田空港にバニラ、ジェットスターなど、
LCC(格安航空会社)専用の第3ターミナルが
できたんだけど。


terminal3_3.jpg
4月8日にオープンした成田空港第3ターミナル  出所:成田空港株式会社プレスリリース


今回の北海道行きで、私は成田空港から新千歳空港まで
飛行機で輪行した。その際、4月8日にオープンした
成田空港第3ターミナルをはじめて利用した。

LCC専用のターミナルができたこと自体はいいと思う。
成田空港からのLCCは、これまでエアアジア(現バニラ)
ジェットスターなど、何回か利用したことがあるが、
JAL、ANAなど、大手航空会社のカウンターがならぶ
片隅にちょこっとLCCのカウンターがあるもんだから、
とてもわかりづらかった。また、ゲート前のロビーも
せまかった。さらには、飛行機に乗るには、
ランプバスに乗らなければならないという、
ほとんど虐げられたような待遇だったもんな。

それが専用のターミナルができ、ゲートから直接、
ボーディングブリッジを通って乗れるようになった
のだから、ハードウェアの改善ぶりは著しい。
そこは素直に喜びたいと思う。さらにいうと、
第3ターミナルは24時間オープンである。ということで、
とても便利になった、と言いたいところなのだが。


2015年6月12日午前1時、私は東京駅八重洲北口の
高速バスのりばにいた。ここから午前1時30分発の
「東京シャトル」に乗って、成田空港に向かう。

バスがやってきた。自転車をトランクに入れてもらって、
引換券を受け取り、乗車する。4列シートのごくふつうの
高速バスである。
これで成田まで900円!(予約した人のみ)
めっちゃ安いやんか!
なお、予約していなかった人は、ひとり2000円であった。


ところで、なぜ、こんなに早く成田空港に行くのか。
私が乗る飛行機は、午前7時15分発と出発が早いから
である。これに乗るためには、立川で中央線の始発電車
に乗っても間に合わない。
ということで、成田空港周辺のホテルに泊まるか、
早めに空港に行って、ターミナルで時間をつぶすか、
という2択になる。私は後者を選んだのであった。

午前1時32分。定刻より2分遅れて発車。ほぼ満席であった。
宝町の入口から首都高に入り、そのまま京葉道路経由で
成田方面にむかう。成田空港第3ターミナルには、
定刻の午前2時30分に着いた。

東京シャトルのバスは、直接、第3ターミナルに
行ってくれるから、使いやすいと思う。
電車で行く場合は、「空港第2ビル」駅で降りたあと、
15分くらい、歩くことになる。ふつうのバッグならともかく、
自転車を持って15分歩くのは、ちょっときつい。

terminal3_0.jpg
成田空港第3ターミナルへのアクセス   出所:成田空港株式会社Webページ

第3ターミナルにはいると、本当にま新しくて、
きれいだった。入口に近い方から、中国の春秋航空、
韓国のチェジュ航空、ジェットスター、バニラ
の順にカウンターがならんでいる。中国の春秋航空は、
佐賀、高松、広島に飛んでいるから、近々、利用する
ことになるかもしれないな。

床には、なんだか陸上競技のトラックのような
ラインがひいてある。なんとなく、それに沿って
歩いてしまう。

terminal3_1.jpg
成田空港第3ターミナルの内部   出所:成田空港株式会社プレスリリース

さて、ジェットスターのチェックインカウンターが
オープンする午前4時30分まで、ひと寝入りするか。
しかしながら、ロビーの長椅子は、先客に占拠され、
リノリウム張りの床に、人がマグロのように寝ている。

ほとんど難民キャンプだな、と思った。

まあ、私はパレスチナとかカンボジアなど、
本ものの難民キャンプを見たことはないから、
なんとも言えないけど、“行き場を失った人たち”
という意味では、同じことだと思う。

私はジェットスターのカウンター付近で、銀マットを
敷いて横になった。銀マットを敷くのは床に体温を
奪われるのをふせぐためである。
このあたり、空港で難民になるような人たちとは、
私はアウトドア経験の絶対量がちがう。
私はアイマスクをして、すこし眠ろうとした。

.................。
...眠れん。
(-_-;

目の前に終夜営業のローソンがある。それはいいのだが、
絶え間なくBGMを流していて、めちゃめちゃうるさい。
とてもではないが眠れない。
私は自転車をのせたカートを押しながら、寝られる場所
を求めて、ジプシーのように移動した。

すこし奥にはいったところに、フードコートがある。
ここは難民の本場で、長椅子は大勢の人たちに占拠され、
テーブルと椅子には、みんな突っ伏して寝ていた。

terminal3_2.jpg
成田空港第3ターミナルのフードコート   出所:成田空港株式会社プレスリリース


長椅子に寝て、グーグーといびきをかいている
強者(つわもの)もいる。うらやましいくらいの
神経であるが、これはこれで迷惑な存在である。
周囲の人は、いびきがうるさくて寝られないので
疲れた目をして、スマホでゲームをしている。
みんな、「朝がこない夜はない。」ということを
信じて、少しでもはやく、夜が明けることを願いながら
過ごしているのであった。とてもではないが、
これから遊びに行くという雰囲気ではない。


私は、まだシャッターが閉まっているセキュリティゲート
の前に移動した。ここでも、マグロのように人が寝ている。
国内線のゲートは4時30分に開くが、国際線のゲートは
6時30分まで開かない。私は国際線のゲートのシャッターの前に
銀マットを敷いて、こんどはシュラフにくるまって、
横になった。

.................。
...眠れん。
(T_T)

私はこれまで、ずいぶんと旅をしてきて、夜行列車とか、
長距離フェリーとか、人がいっぱいいる状況でも寝てきた。
けど、乗客しかいないところと、基本的に誰でも入れる
ところでは、状況は大きく異なる。

世界中、いろいろな国の人が利用する空港のロビーなんて、
殺されて持ち物を奪われても、文句が言えないではないか。
私は銀マットとシュラフを片付け、もう一度、
ジェットスターのチェックインカウンターの前に移動。
ローソンで午後の紅茶を買ってきて飲みながら、
ぼーッとしていた。

午前4時30分になり、ジェットスターのチェックイン
カウンターがあいた。自転車を受託手荷物として預け、
セキュリティゲートを通って、出発ゲートの前に移動。
ここには、あいている長椅子がたくさんあった。
やれやれ、これで出発まで2時間ほど寝られるわい。
私は出発ゲートの近くの長椅子に横になって、
目をとじた。

terminal3.jpg
出発ゲート前のロビー


.................。
...眠れん。
(´;ω;`)


成田空港第3ターミナルからは、朝6時すぎから
飛行機が頻繁に飛び立っていく。そのたびに、
地上職員が、がんがん案内放送をするもんだから、
うるさくて、とてもではないが寝ていられない。
私は売店で伊藤園のジャスミン茶を買ってきて
飲みながら、ぼーっとしていた。

結局、私は成田空港第3ターミナルでは一睡もできなかった。
飛行機に乗ってから、少しだけ、うとうととしたけれど、
飛行時間は1時間ちょっとだから、
眠った時間は、20分かそこらだろう。
ふらふらの状態で札幌駅に着いた私は、
自転車を組み立て、余市をめざしてこぎ出したものの、
結局、途中の小樽でリタイア。
初日は36kmしか進めなかった。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
LCC専用の成田空港第3ターミナルは、難民キャンプの
ような状態であった。私くらい旅慣れた人間でも、
寝られるような状態ではなかった。
早朝の飛行機を利用される方は、せっかく遊びに行く
のだから、空港周辺のホテルをとって、ゆっくりとからだを
休めてから出発したほうがいいと思われる。


あるいは、東京シャトルの利用者を対象に「大江戸温泉物語」
というお台場にある施設が1200円で利用できるプランもある。
参考になれば幸いである。

お得な「大江戸温泉物語セットプラン」(京成バス)
http://www.keiseibus.co.jp/kousoku/nrt16_3.html

ただし、8月と年末のコミケの時期には、大江戸温泉物語
の仮眠処も遺体置き場のような状態になるらしいから、
注意が必要である。www


共通テーマ:旅行