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狭い道の走りかた その4 [オートバイの話]

3ケタ国道など、狭い道をオートバイで走るコツについて。
今回は、トンネルの通過についてである。


基本編3  トンネルの通過

<ポイント>
1.なるべく真ん中よりを走る
2.トンネルに入る直前に、片目をつぶる



私は、もう20年ちかくもオートバイを運転しているけど、運転はどヘタであり、
狭い道のトンネルを通過するのが、いまだに苦手である。
理由は、まっすぐに進むことができないからだ。(笑)

トンネルの中の路面というのは、排水をよくするために、
断面がカマボコ状になっているか、あるいは左右どちらかへの
一方的な勾配になっている。だから、4つのタイヤで走るクルマならともかく、
2つのタイヤで走るオートバイにとっては、そもそも直進がしづらいのである。

トンネル内.gif
図 トンネル内の路面の断面とオートバイのハンドリングに与える影響


それと、キープレフトを維持したまま、トンネルに入ると、
どうしても、高速で迫ってくる左側の壁が怖くなってしまう。
これには、個人差もあるかもしれないけど。
私にとっては、コンクリートを巻いた普通の壁は、まあ、平気なんだけど、
狭い道によくある素掘りのトンネルの、ごつごつの岩がむき出しになった壁は、
めちゃめちゃ怖い。(笑)
そういう場合、どうしても本能的に壁から逃げてしまうのだけど、
急に右に進路を変えたりすると、前述のように、トンネル内の路面
というのはカマボコ型か、一方的な勾配になっているから、
蛇行したり、斜行したり、予想とは違った動きをすることが多いのである。


また、人間が外部から得る情報のうち、多くは視覚にたよっている。
けれども、人間はもともと夜行性ではないから、暗いところでは、
目が見えない。
ということで、狭い道にありがちな、照明のない真っ暗なトンネルだと、
入った瞬間、暗さに目が慣れるまで、2秒から3秒ほどかかってしまう。
こういうのを暗順応というのだけど、そのあいだにも、オートバイは進む。
なにも見えないのにオートバイは進む、ということで、
恐怖感から、つい、からだに力が入ってしまう。
すると、ハンドルをとられてしまうことが多くなるのである。

ということで、狭い道のトンネルを走るのは、ふだんとは勝手が違う
ことがいっぱいなのである。


1.のなるべく真ん中よりを走るということの意味であるが、
これは、トンネル内の路面がカマボコ状になっているか、
あるいは、一方的な片勾配になっていることへの対策である。
そもそも、トンネル内はまっすぐ走りづらいのである。
だったら、最初から真ん中を走ればいい。
道路を走るときには、キープレフトを守ることが原則だけど、
どうせ、道幅が2.5~2.75メートルといった狭いトンネル内では、
対向車とすれ違うことはむずかしいのである。
ここはひとつの例外として、トンネルに関しては、
真ん中を走る方が無難であるといえよう。
また、キープレフトをしたまま、高速でトンネルに入ると、
前述のように、迫ってくる壁が怖くて、つい、逃げてしまう。
そういったことをしないためにも、真ん中から入る方がいいだろう。


2.のトンネルに入る直前に、片目をつぶる、ということの意味は、
トンネルに入る前に、少しでも、片目を暗さにならしておくためである。
トンネルに入る直前に、片目をつぶっておくと、
つぶった方の目が、暗さに慣れている。
そうして、トンネルに入った瞬間、そちらの目をあけると、
少なくとも、暗さでなにも見えない、ということはなくなる。
ということで、「トンネルだ!」と思ったら、片目をつぶると
いうことを、習慣づけておくといいだろう。

え? どっちの目をつぶるのがいいかって?

私の場合は、右目が利き目なので、トンネルに入る直前、
左目をつぶるようにしている。走行中、利き目をつぶるということは、
ふつうは、怖くてできないはずである。



ということで、本日の記事のまとめであるが、狭い道を走るコツの第3は、
トンネルを通過するときは、路面の状況と視界の確保に注意して走る。それだけ。
(^^;

ベテランのオートバイ乗りの方からしてみると、
「なにを当然のことを言っているのか。」
と思われてしまうかもしれない。が、あえて、ここで主張しておきたい。



狭い道に限ったことでなく、私は高速道路でも、トンネルを走るのが
苦手である。中央道の恵那山トンネル(8649m)のような長大トンネル
を走っているときなど、ときどき、どっちが上で、どっちが下なのか、
わからなくなってしまうのだ。(笑)
そういった長大トンネルでは、トンネルのまるい断面形状と、
ナトリウム灯による単波長の光により、非常に単調なパターンが
連続して視覚に飛び込んでくることとなる。そういうのが長く続くと、
なんだか、上下がわからなくなってしまうのである。

まあ、だからといって、いつのまにか天井を走っていた
という経験はないけど。

これは、トンネルの長さだけでなく、断面形状とか、トンネル内照明の種類
などにもよるのかもしれない。私の場合、関越トンネルはそうでもないけど、
恵那山トンネルは、どうも苦手である。

べつに、私は三半規管に異常があるわけではない。
バランス感覚は、年齢のわりには、いい方であると思う。
私は一本橋を20秒以上かけて渡ることができるから。

だからといって、運転はどヘタだけどさ。

ま、人間はそれくらい、視覚にたよって生きている動物なのだという
ことが言いたいのである。
どんなに運転が上手な人でも、トンネルに入った瞬間は蛇行しやすい
ものである。気をつけて走るに、こしたことはないだろう。



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