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運転がヘタで、なにがいけないのか [ひとりごと]

もう、19年もオートバイに乗っている。が、私は運転がそんなに
上手くない。ていうか、ヘタもいいところである。

 
私の運転技術が上達しない理由は、わりとはっきりしていて、
セーフティマージンをとりすぎるからである。私はコーナーに
入っていくとき、「時速60kmでまわれるな。」と思ったら、
時速50kmで入っていくのだが、誤解を恐れずに言うと、
そんな運転をしていて、上手くなるわけがない。

けれども、この年齢になると、
「もう、一生ヘタで結構。」
とも思う。
私は10万キロ以上、オートバイを運転しているけれど、
事故を起こしたことは、まだ一度もない。19年のあいだには、
立ちゴケを2回、転倒を1回やったけれど、ケガをしたことはない。
ヘタはヘタなりに、いちおう安全にオートバイを運転することが
できるレベルには達しているつもりである。

それでいいではないか、と思うのだ。

運転はヘタである。が、オートバイを楽しむのには、なんの支障もない。
それのどこがいけないのか。
 
 
よく、自分の技術水準に達していない人に対して、やたらとけなす人
がいる。が、私はそういうことは好まない。そういう人は、向上心は強い
のかもしれないけれど、それを他人に強要すべきではないと思う。
こういってはなんだけど、オートバイの運転が上手いからといって、
べつに、えらいわけでもなんでもないのである。
 
それに、
誰だって、最初は初心者だった
のである。そのことを忘れてはいけない。
 
 
スポーツで例えると、私はバスケットボールをやっていたので、
フリースローを10本投げて、8本は入れることができる。
それはべつにすごいことでもなんでもなくて、
競技としてバスケットボールをやっていた者なら、
それくらいできて当然である。
けれど、初心者が一般用の7号のバスケットボールを持って、
フリースローレーンから投げたら、10本投げて1本入ればいい方だし、
女性だと、そもそもボールがゴールに届かないという人も多い。
じゃあ、われわれ競技としてバスケットボールをやっていた者は、
そういった初心者を笑っていいのかというと、そんなことはないはずだ。

さらにいうと、私はボランティアで小学生にバスケットボールを
教えていたけれど、子どもたちに対してフリースローを10本投げて
8本入れることができるレベルになることを要求したことなんか、一度もない。
競技としてバスケットボールをするならともかく、余暇あるいは趣味として
バスケットボールを楽しもうという者が、そんなレベルに達している
必要なんか、まったくないと思うからである。
 
 
同じように、競技としてオートバイに乗る、つまりレースに参加するならば、
ある程度の技量に達している必要があると思う。一人だけ技術が未熟だと、
他の参加者に迷惑をかけるし、そもそも勝てる水準に達していないのなら、
競技に参加する意味なんかないからである。
けれども、一般公道を走って趣味としてオートバイを楽しむのに、
運転が上手い必要なんか全くない。事故を起こしたりして、社会に迷惑を
かけるのでなければ、べつに、文句を言われる筋合いはないはずである。
それよりは、

無理をせず、想像力を働かせて、事故を起こさないように走ることの方が、よほど重要である
と思うのだ。
 
 
まとめると、
なんでもそうだけど、ベテランになるとつい、「いまどきの若いもんは。」
みたいなみたいなことを言いたくなる。けれども、結局、それって、
若い人にとっては、余計なお世話である。
また、自分にとって都合のいいところに勝手に線をひいておいて、
「この線からこっちの技量の人はOKだけど、そうでない人は、
もっと練習して、でなおしてこい。」
みたいなことを言うのって、結局は、その線を越えられない人に対して、
勝手に優越感にひたっているだけである。じゃあ、もっと上のレベルに
線を引かれて、自分がその線を超えられない場合は、どうするのか。
上には上がいるのである。そのことを忘れてはならない。
 
 
ちなみに、私のように運転がヘタな者は、
下には下がいる
ってことを、いつか上にいるやつらに思いしらせてやりたいと
思っているのである。
 

ま、それはともかく...、
ベテランになればなるほど、つい、えらそうなことを言いがちであるが、
われわれ中高年のオートバイ乗りは、決してそういうことを言ったり
することのないよう、肝に銘ずるべきであろう。
 



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