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CB1100Fは、本当に市販化されるんだろうか [オートバイの話]

今年の東京モーターショーで、参考出品車として展示
されていたCB1100Fであるが、ネットの海で情報を集めて
いると、なんだか市販される可能性が高いみたいである。


CB1100F

前回の記事で、私は、「中高年ウケをねらって出してみただけで、
売る気は、さらさらないんだろうな。」みたいなことを書いてしまったけど。

いや、ほんま、すまんかった。

ということで、あらためてCB1100Fを見てみることにする。
(出張なんでも鑑定団か!)
 

エンジンの腰から下は、まちがいなく現行のCB750のもの。
これはCB750に乗ってる私が言うんだから、間違いない。
腰上はよくわからないけど、新設計なのか、あるいは
昔のCB1100Fのものをベースに、フィンのデザインを
変えたものと思われる。足回りは、現行のCB1300のものだと思われる。

要するに、すべて寄せ集め。

そんなものを、世界のホンダが作るのか。
いや、ホンダというメーカーは、こういうやっつけ仕事で
つくったオートバイに、意外といいものが多いのである。
 
現行のCB750が、まさにそうだった。
コストを削減するため、新しく設計したのはフレームだけで、
あとは既存部品の寄せ集めであった。エンジンは、なんと、
1983年発売のCBX750の空冷エンジンが流用されたのである。
明らかに、やっつけ仕事でつくったオートバイであったが、
これが意外によかったのである。
また、私が以前に乗っていたGB250クラブマンも、
CBX250RSの車体に、タンクとホイールのデザインを変えて
見ためをちょいと古くしただけのものだった。
やっつけ仕事どころか、一晩でつくってしまったようなオートバイ
だったけど、これがじつによかった。
CBX250RSは、すぐに消えてしまったけど、GB250クラブマンは、
その後、16年間にわたってつくられたロングセラーになった。

ホンダというメーカーは、技術はまちがいなく世界一なんだけど、
わりと、思いつきでオートバイをつくってしまうところがある。
思いつきでつくってしまったオートバイの典型は、NRであろう。
いまとなっては、NRに採用された技術は、ほとんど活かされていないし。
あるいは、CX500ターボなんてのもあったなあ。
オートバイにターボエンジンを積んだのは世界初だったけど、
発売後1年で消えてしまった。

あるいは、考えすぎて失敗するところもある。
X11なんて、そうだったなあ。“ネイキッドの新しい方向性を示す”
ということだったけど、実車が走っているのをほとんど見たことが
ないまま、いつのまにか消えてしまった。 

そういう意味では、ホンダというメーカーは、やっつけ仕事で
つくった方が、へんな思いつきが入り込む余地がないし、
また考えすぎないから、いいオートバイができるのである。
これが他のメーカーだと、やっつけ仕事でつくったオートバイなんか、
命が惜しくて乗れないけれど、ホンダには技術の蓄積があるので
そのへんは大丈夫なのである。
 
 

ハナシをCB1100Fに戻そう。まず、エンジンについてだけど、
現行のCB750のエンジンは、前述のとおり、1983年発売の
CBX750のものである。が、その前にCBX650カスタムという
車種が出ていて、CBX750のエンジンは、それをボアアップ
したものである。
つまり、20年以上も前のエンジンで、しかもベースが650CCで
あるものを、1100CCのエンジン腰下に使うというハナシである。
いくらなんでも、大丈夫なんだろうか、という感じがするけど。

また、CB750のエンジンは、たしかに信頼性は高いんだけど、
その設計の古さゆえ、いろいろな問題をかかえている。
これも、乗っている本人が言うんだから、間違いない。
めちゃめちゃ頑丈で、私はもう4年くらい乗っているが、
壊れるという感じがまったくしないんだけど、ニュートラルから
ローに入れる時の音が大きめであったり、前時代的な巨大な
オルタネーターが目立ちすぎる。
それに、空冷エンジンで、今後、ますます厳しくなる
排気ガス規制を乗り切れるのか、という感じもする。 

まあ、発売までには乗り越えなくてはならないハードルは、
それこそたくさんあると思うけれど、ホンダ伝統の空冷インライン4が
こういうかたちで残るというのは、ホンダのファンにとっては
うれしいことである。
できれば、トランスミッションにHFTを採用して、
イージードライブを実現すれば、中高年層にとっても
ウケるだろうし、ツーリングにオートバイを使おうという
ユーザーにも、ある程度支持されるのではないだろうか。
 
 

ということで、あらためてCB1100Fを見てみると、
いかにもホンダらしいオートバイということで、
支持するユーザーは確実に存在するものと思われる。
個人的には、設計が古すぎる感じがするので、
どこかに先進的な部分を取り入れて欲しいけれど、
逆にいうと、信頼性は高い。
市販されたらいいな、と思える車種である。



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