和歌山県道243号線(日置川すさみ線) [太平洋岸自転車の旅]
のよい道だった。
和歌山県道243号線(日置川すさみ線) A地点より小石ノ鼻をのぞむ B地点にあった「熊野枯木灘海岸県立自然公園」の標識 C地点より安宅崎をのぞむ D地点の海の色 この区間のプロフィールマップ |
紀伊半島を一周する国道というと国道42号線であるが、
入り組んだ海岸線を走ることから、悪路という印象が強い。
関西では42という数字にかけて、“死に”号線などと
言われているのである。
近年は、ずいぶんと改善された。
岬と岬のあいだを長大トンネルで抜け、幅員も拡大されている。
けれども、ところどころに旧道が残っており、
“死に”号線であったころの面影を残している。
和歌山県道243号線(日置川すさみ線)も、もともとは
国道42号線であった。けれども、朝来トンネル(あっそトンネル
=918メートル)と日置トンネル(ひきトンネル=613メートル)
が開通したことにより、県道に降格した。
朝来トンネルが開通したのは1996年のことであり、
和歌山県道243号線は、ごく最近まで、国道42号線として
使われていたのである。
現在の和歌山県道243号線は、交通量はほとんどない。
たまに、釣り人のクルマが通る程度であり、とても静かである。
自転車で走るには、とても快適な道である。
沿線は、美しい海岸線である。
串本から紀伊田辺までの海岸は、熊野枯木灘海岸県立自然公園
に指定されており、枯木灘といわれる美しい海岸が続く。
そのなかでも、和歌山県道243号線の沿線は、もっとも美しい区間
ではないかと思われるのだ。
このあたりの海は、独特の色をしている。
ちょっと沖に出れば、南海トラフといわれる4000メートル級の深海。
そこから湧き上がる栄養豊富な海水が、豊穣の海をつくりだす。
おそろしく透明度が高く、沖の方の色は、コバルトブルーというよりも、
むしろ、濃紺に近い。
南紀の明るい光のなか、そのような美しい海を見ながら、
私はひとりで自転車をこいでいたのであった。
ということで、今回の記事のまとめであるが、
和歌山県道243号線(日置川すさみ線)はとても景色がいい。
紀伊半島をクルマやオートバイ、あるいは自転車で旅する機会があれば、
ぜひとも、訪ねてごらんになるとよいと思われる。
和歌山県道243号線の少し北には、名湯といわれる椿温泉があるし、
さらに足を伸ばせば、白浜温泉がある。
あたたかいし、景色もいいし、温泉もある。魚もうまい。
いいところである。