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SHOEI X-9 vs Z-5 [オートバイの話]

ヘルメットを新調した。SHOEIのX-9である。



X-9.jpg
SHOEI X-9 (エックス-ナイン)
出所: 株式会社SHOEI



今回、私は家の近くのオートバイ用品屋さんで、約31,000円(税込)で購入した。
私にとっては、通算で7個めのヘルメット購入になる。
これまでに買ったのは、すべてSHOEI製品。私はSHOEI頭なのである。(笑)
そのあたりの事情は、アライ派とSHOEI派に書いたとおりである。


私のヘルメット購入歴
メーカー 機種 形状 規格
SHOEI GRV フルフェイス SNELL
SHOEI J-MAX ジェット JIS-C
SHOEI Z-CRUZ フルフェイス JIS-C
SHOEI J-STREAM ジェット JIS-C
SHOEI J-FORCE ジェット JIS-C
SHOEI Z-5 フルフェイス JIS
SHOEI X-9 フルフェイス SNELL



前回、購入したときはZ-5だったけど、今回はX-9。
ということで、この記事では、SHOEIのフルフェイスの
ミッドレンジ価格帯の2製品、Z-5とX-9の比較インプレを書く
ことにする。
ブリヂストンBT-45 vs ダンロップGT501につづき、
いかにも私らしい企画だけど、私のこういうビンボーインプレ記事は、
意外と人気が高いのである。(笑)



まず、申し上げると、私にとってのヘルメットの選択基準は、
ズバリ、値段が3万円くらいまで。(笑)
中高年ライダーのほとんどが、シューベルツやSHOEIのX-11、
アライのRX-7などといったハイエンドの製品を愛用している現在、
珍しいユーザーかもしれない。
ヘルメットという装備の重要性を認めないわけではない。
が、3年くらいで買い換える、いわば使い捨ての装備なので、
それ以上のお金をかける気には、私はどうしてもなれないのである。

それに、正直言って、私にとってヘルメットという装備は、
限りなく保険に近い。20年ちかくオートバイに乗ってきて、
「ブーツをはいていて、よかったー。」と思ったことは、
2回あったけど、「ヘルメットをかぶっていて、よかったー。」
と思ったことは、まだ、1回もないからである。

あったら、まずいよな。
(^^;


もちろん、明日、事故を起こして、
「ヘルメットをかぶっていてよかったあぁぁー。\(ToT)/
と思うかもしれない。
その可能性はあるけれど、いいヘルメットをかぶって、明日の事故に
備えるよりは、安いヘルメットでいいから、明日も安全運転をする方が
大事だと、私は思うのである。
また、私はヘルメットにかけるお金があるならば、任意保険にかける。
そのあたりは、私の性格である。
私は対人無制限、対物無制限の任意保険に20年間、ずっと加入している。
まだ、一度も使ったことはないけど。




前置きが長くなったけど、ということで、私は3マソを握りしめて、
ウチの近くのオートバイ用品屋さんに行った。けど、その予算だと、
SHOEI頭の私には、それほど多くの選択肢があるわけではない。
フルフェイスだとX-9かZ-5。ジェットだと、J-FORCE III かJ-STREAM。
その4つだけである。


友人であるmichu氏には、「CB750のようなネイキッドには、ジェット型が似合うよ。」
とすすめられるのだけど、ジェット型は、この年齢になると耳からの
疲れが大きいので、ちかごろは、買う気になれない。
ということで、フルフェイスになる。
色は、この年齢になると、白以外、買う気にはなれない。
ということで、Z-5かX-9の白、ということに、自動的に決まってしまう。


で、どっちにするか。

私はこれまで、フルフェイスではJIS規格のZシリーズ(Z-CRUZ、Z-5)を
愛用していた。だけど、Z-5の白を2個続けて買う、というのも、あまりにも
芸がないので、今回は同じような価格でSNELL規格のX-9にしてみた。
SHOEIのラインアップでいうと、ハイエンドのX-11の廉価版という位置づけである。


結論から先に言うと、悪くはない。けど、Z-5とくらべると、一長一短があり、
長距離ツーリングを主体とする私にとっては、やはり、Z-5の方がよかったかなあ、
という感じである。
X-9とZ-5を比較しての印象を表にすると、以下のとおりである。

項目 X-9 Z-5
大きさ、重さ
安全性
(SNELL)

(JIS)
風切り音
ベンチレーション
フィット感
◎ ・・・非常にすぐれている
 ・・・すぐれている
△ ・・・ふつう



ということで、X-9はZ-5からかぶりかえると、正直いって、その大きさと重さが、
若干、気になるのである。けれど、許せる範囲内にはおさまっているのだし、
慣れの問題もあると思うので、ま、いいか、というのが、正直な感想。
ツーリング派の私にとっては、やはりZ-5にしておくか、来年早々に発売される
新製品のZ-6が出るまで待った方が、よかったかもしれない。


ただ、誤解していただきたくないのは、最近のヘルメットの進歩は著しく、
大きさと重さが気になるといっても、その差はごくわずかであることである。
私が以前に書いた、

「SNELL規格のヘルメットは、ハイエンドの超高級モデル(SHOEIならX-11、
アライならRX-7)以外だと、少ーし重さが気になる。強度は、もちろんある
のだろうけど、首の疲れが大きいと思うのだ。」
-------(引用終了)---------


という見解に関しては、少し改めた。現在の製品は、SNELL規格であっても、
十分、小さくて軽い。その点については、訂正させていただく。
私にとっては、最初に買ったSNELL規格のヘルメットであったGRVが、
あまりにも大きく重くて、まるでコケシのようになってしまったことから、
どうも、SNELL規格の製品を敬遠する気持ちがあったようだ。
技術の進歩は、まさに著しいと思う。



X-9がZ-5よりも優れている点である、走行時の風切り音であるが、
一般道を流す速度域で走っているぶんには、まったく差を感じない。
けれども、高速道路では、その差を感じる。Z-5が、ズオォォォーというのに
対して、X-9は、シューーーーというニュアンスである。
さらに、ここでは書けないような速度域になると、Z-5ではヘルメットの
浮き上がりがあるのに対して、X-9はさほど、それを感じなかった。
来年度、1000円で高速道路が乗り放題になったら、高速道路を使う
機会が飛躍的に増えるだろうから、これは大きなメリットになるかもしれない。



細かい点であるが、Z-5とくらべて、少し変わっていたのは、シールドに
ロック機構が加わっていることである。アライ製品とくらべた場合、
SHOEI製品の最大の特徴は、Q.R.S.Bという機構の採用であろう。
なんの略かは、SHOEIのホームページにも書いていないのだけど、
たぶん、クイック・リリース・シールド・ビルトイン(システム)の略だと思う。

具体的にどういうものかというと、ヘルメットのシールドが簡単に脱着できる
のと、ヘルメット本体に対して、シールドが作りつけ(ビルトイン)のように
段差がなく、一体化していること。これは、SHOEI製品の優れている点であり、
いったん、これに慣れてしまうと、SHOEIの製品以外、買えなくなってしまう。
私自身は、シールドの汚れやくもりが、非常に気になる性質であり、
ツーリング中も、しょっちゅう、シールドをはずして、汚れを取ったり、
くもり止めを塗ったりする。そういったことから、SHOEIのQ.R.S.Bを
非常に気に入っている。

けれども、はずしやすいということは、逆にいうと、簡単にはずれやすい
ということでもある。で、走行中にはずれてしまったり、転倒時にはずれる
ことがないように、ロック機構が付いたのである。
まあ、私のように、ドンくさい走りをするツーリングライダーには関係のない
ハナシだけど、走り屋さんには、うれしい改良なのかもしれない。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
X-9は、3万円前後で買えるSNELL規格のヘルメットということで
とてもお買い得である。が、私のように長距離ツーリングに
オートバイを使っている者にとっては、Z-5との比較において、
やはり少しだけど大きくて重たいというのは、気になるところである。
来年、Z-5の後継機種のZ-6が出るから、ツーリング派にとっては、
そっちの方がおすすめかもしれない。ただし、X-9の風切り音が小さい
というのは大きなメリットであり、高速を中心としたツーリングには、
向いているかもしれない。そんなところであろうか。


プラスチック、発泡スチロールという素材は、必ず劣化するものである。
そういったことを考えると、ヘルメットについては、いいものを買って
長く使うという発想よりも、安価な製品を、どんどん使いすてるべきである。
まあ、私という人間は、だいたい消耗部品については、安いものを選んで、
どんどん交換する性格であるけれど。

それと、ビンボーインプレ記事の意義については、以下のように考えている。

高いものを買って、いいのはあたりまえである。

そんな情報は役に立たないし、取りようによっては、単なる自慢話にすぎない。
安いものを買って、それが使えるのか、使えないのか。
具体的に、どこが不満だったのか。
それを書いてこそ、インプレ記事になるのではないか。
私は、そのように考えるのである。
だからこそ、みなさんの人柱になる覚悟で、安いものを買うのである。
単にビンボーなだけでは? という意見には、決して耳を貸さないのである。(笑)



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