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250ccのスポーツ車はCVTを搭載して復活させてはどうか [オートバイの話]

排気ガス規制により、250CCクラスの多くのオートバイが生産中止
になる。インジェクション化により排ガス対応させたうえ、CVTを
搭載して復活させるというのはどうだろうか。

 

ホンダは、8月30日に以下の車種を生産中止とする。

V-TWIN MAGNAホーネットVTRXR250XR230PS250フォーサイト
 

250CCは、スクーターを除いて
全滅やんか!

 
 
考えてみれば、これは不思議なことである。
たしかに、これまでオートバイは排気ガス規制において
甘やかされていた。けれども、ホンダ、スズキは
世界でもまれな二輪と四輪の両方をつくっている
メーカーである。また、ヤマハはトヨタとの関係が深く、
現在もトヨタに対してエンジンを供給しているのである。

つまり、この3社は、二輪に比べて一桁厳しい四輪の
排気ガス規制をクリアするレベルの技術を、すでに
持っているのである。それをオートバイのエンジンに
適用するなんてのは、簡単なことではないのか。

私は、残りの1社が、今回の排気ガス規制を契機に
国内の二輪市場から撤退、と聞いても全く驚かない
けれども、この3社が250CCのラインアップを減らす
ことについては、かなり驚いている。
とりわけ、小型二輪車の海外向け輸出で大きな収益を
あげているホンダが250CCから撤退、というのは、
衝撃的ですらある。
 
が、結論から先にいうと、しばらくしたら、水冷エンジンを
搭載した車種(ホンダでいうとVTR、ホーネット、マグナなど)
については、インジェクション化されたうえ、復活する
可能性は高い。私はその際、CVTを搭載して、オートマの
スポーツ車として復活すればいいと思うのである。
 
 

排気ガス規制とは、具体的にはキャブレターから
インジェクションへという吸気がわの変更と、
エンジンの水冷化、さらにはキャタライザーの装着など、
排気がわの変更である。2001年に行われた排気ガス
規制では、主として排気がわの対策が行われた。
その際、従来どおりの排気量では、出力が落ちてしまうから、
どさくさにまぎれて、多くのオートバイで排気量アップ
が行われたことは記憶に新しい。VFR750は800CCに、
CBR900RRは954CCに、CB1000は1300CCに、
それぞれボアアップされた。

そういえば、あの一連の動きで、CB750は、ますます
中途半端な排気量という位置づけになってしまったな。
(-_-;
 

まあ、それはともかく、今回の排気ガス規制は、排気がわ
だけでは対応が難しく、吸気がわもいじらないといけない
ようだ。逆にいうと、それだけで対応は可能である。
空冷エンジンのオートバイに、もはや未来がないことは
明らかだけど、水冷エンジンのオートバイなら、インジェク
ション化により生き残るのは、そんなに難しいことではない。
 

なのにどうして、いったん全滅するのであろうか?
 

ここから先は、私の推定なのであるが、海外における
排ガス規制とタイミングが合わなかったことが、1つの要因。
それと、ホンダは250CCクラスのスポーツ車にとって、
日本国内市場においては、どのような未来があるのかを
模索しているのではないか、と思うのである。
 

いまや、スクーター以外の250CCは、ほとんど売れていない。
売れないものはつくらない。これは製造業としては、
当然のことである。

で、スクーターブームが去ったらどうなるのだろうか。

スクーターブームというのは、ある程度、一過性のもの
であると思う。現在、スクーターに乗っているのは、主として
若年層であるが、彼らはついこのあいだまで、TW200などと
いったオフ車に乗っていたのである。その前は、TZRとかNSR
といった、2ストロークのスーパースポーツ車に乗っていた。
要するに、スタイルを重視する若年層は、いつの時代にも
確実に存在する。けれど、彼らは移り気であるから、いったん
ブームが去ったら、2度と、もとの市場には戻って来ない。
そうなると、250CCのオートバイ市場は、ほぼ消滅してしまう
かもしれないのである。
 
 
少し視点を変えてみよう。
現在は静かな二輪ブームである。が、それは1000cc以上
の大型車が売れていることが、その大きな要因である。
考えてみれば、これは当然で、現在は18才以上であれば、
誰もが教習所で、いきなり大型二輪免許を取得できるのである。
だから、ある程度、経済的に余裕があって、オートバイが
好きだというユーザーは、250CCクラスなんか、見向きも
しない。みんないきなり、1000cc以上のオートバイを買う。
現在の静かな二輪ブームを支えているのは、そういった
購買層であるといえよう。
そのように考えると、そもそも250CCというのは、生き残る
のが難しいクラスかもしれないのだ。
 

けれども、250CCの軽二輪は、やはりなくしてほしくない。
経済的に余裕のない層にとっては、エントリーモデルとして、
250CCという選択肢はあった方がいいし、すでに経済的に
豊かになっており、現在、大型二輪に乗っているユーザーは、
いずれいなくなってしまう。そのとき、若い人の新規参入が
なければ、日本のオートバイ文化そのものが途絶えてしまう。
 
また、私見ではあるが、オートバイはでかけりゃいいというもん
ではない。小さなオートバイには、小さなオートバイなりの
メリットというものが、ちゃんとあるのである。
近頃の中高年のリターンライダーのなかには、
「バイクと○○○(ピー!)※注 は、でかい方がえらい!」
と本気で思っているのではないかと思えるほど、
大きなオートバイが好きな人がいるが、ある程度、
オートバイに乗って年季が入ってくると、
小さなオートバイのメリットもわかってくる。
250CCというのは、ある意味、オートバイのサイズ
としては理想的である。そして、プロを除くほとんどの
オートバイ乗りにとっての最終的な目標は、
250CCをきちんと乗りこなすことであるといえよう。

※本文中、お聞き苦しい表現がありましたことをお詫びを申し上げます。 m(_ _)m
 

そのようなことから、私は思うのであるが、やはり、250CCの
スポーツ車は残した方がいい。また、このクラスは海外市場
からのニーズも高く、今後も日本国内でつくるかどうかは
ともかくとして、いずれ復活するものと思われる。

その際、CVTを搭載させたらどうだろうか。

現在、スクーターに乗っているユーザーは、もうマニュアル
トランスミッションのスポーツ車なんかには、戻ってこない
だろう。じつは私もそうなのだが、オートバイの変速操作が
面倒くさいと思っている人たちは確実に存在するし、
次の世代ではマニュアルのオートバイなんか、もう誰も
乗っていないに違いないのである。

たとえばVTRのような、優れた水冷エンジンを持つ250CCの
オートバイをインジェクション化したうえ、CVTを搭載させて
再登場させることは、ATのスポーツ車市場をつくるうえで、
大きな契機になると思われる。AT車限定免許でも乗ることが
出来るという具体的なメリットもあるし。
 

ということで、250CCのスポーツ車であるが、いったん、
ラインアップから姿を消すものの、水冷エンジンのモデルが
インジェクション化されて復活する可能性は高い。
私はその際、CVTを搭載して、復活すればいいと思っている
のである。



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