北岳に登ってきた １

北岳に登ってきた。

北岳頂上にて

7月6日から１泊２日の行程で赤石山脈（南アルプス）
の北岳に登ってきた。
北岳に登る理由であるが、話は２年前に遡る。
私は友人の三浦半島の住人さん、M氏とともに、
南アルプスの夜叉神峠に行ったのであった。
夜叉神峠から見た北岳は、とてもきれいだった。
そして、そのとき私は、
「あそこに登ってみたい。」
と思ったのである。
そこまでは、よくある話であろう。
けれども、問題がひとつあった。
　
私はいまだかつて、山に登ったことがない。
　
　
小学校のとき、耐寒訓練と称して、大阪の金剛山
に登ったことがある。
けれども、標高1000メートルあまりの金剛山と、
3193メートルの北岳を比較するというのは、
あまり、適切ではないような気がする。
ていうか、北岳に対して失礼ではないか。
やはり、日本で２番めに高い山なのだから、
登るにあたっては、それなりの準備をすることが
必要であろう。
　　
トレーニングを開始することにした。
　
まずは、4kmのジョギング。それから1階から5階までの
階段の昇り降りを５往復。家に戻って、腹筋を50回。
そのメニューを、毎週、土よう日と日よう日に続けた。
4月には脚力をつけるため、25kmの走りこみをやった。
5月にはさらに大腿筋を鍛えるため、自転車で40kmの
走りこみをやった。
　
それと、これがいちばんきつかったのだが、
体重を6kgほど減らした。84kgもある体のままでは、
登坂能力が著しく落ちるし、転倒したらただでは
すまないからだ。

本当は10kgほど減らそうと思ったのだが、無理だった。
食事をとらないつらさというのは、想像を絶する。
日々、ダイエットをしている女性は、本当にすごいと思う。
昼食に、ヒマワリのタネをポリポリと食べている女性を見る
たびに、
「おまえは、とっとこハム太郎か！」
と思っていたのだけれど、自分がダイエットを始めてからは
尊敬のまなざしで見るようになった。

6月に入ってからは、4kmのジョギングを毎日やった。
7月1日の山開き以降は、北岳の積雪状況などについて
山梨県警のホームページなどで情報を把握し、
天候の良い日を待った。登山初心者の私にとっては、
天候が急激に変わりやすい真夏よりも、安定している
梅雨の晴れ間をねらった方がいいからだ。

7月6日の金曜日は、幸い朝から晴れていた。会社には
急に風邪をひいた、ということにして、私は北岳の登山口で
ある広河原に向かったのであった。

（長くなったから次回に続く）