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旧東海道徒歩の旅 DAY11 新蒲原~清水 その2 [旧東海道徒歩の旅]

旧東海道を歩いた。(新蒲原~清水)

DAY11 新蒲原~清水  約19.0km

薩埵峠からの道をおりて、東名高速のトンネルの上
を橋でわたり、遊歩道にもどる。
さらにくだって、なぜか不自然に迂回するところ
をすぎると、興津川に出る。

東海道本線が興津川をわたるところに公園があり、
木陰にベンチがあった。すわって、ぬるくなった
ボトルの水を、グビリと飲む。

誰もいないので、横になってやすんだ。
木陰なので、すずしい。
あおむけになって、木の葉っぱを、ぼーっと見ていた。

鉄橋をわたる列車のゴーッという音で、
われにかえった。どうやら、一瞬、眠ってしまった
ようだ。もういちど、水を飲んだあと、出発する。


興津宿は、東海道と身延道が分岐するところで、
東海道を旅する人と、身延山の久遠寺を詣でる人とで
賑わったという。
清見寺(せいけんじ)は、この地にふるくからある
臨済宗のお寺で、境内の掘割のなかを東海道本線が
通っている。私が通りかかると、ちょうど、熱海行き
の普通列車が通りすぎていった。

okits01.jpg
清見寺と東海道本線の列車

なおも歩くと、興津坐漁荘(おきつざぎょそう)がある。
西園寺公望(さいおんじきんもち)の別荘だった
ところである。
老朽化のため解体されて、明治村に移設されたのだが、
2004年に静岡市が再建し、忠実に復元した。

それは知っていたのだけど、とくに見るつもりは
なかった。が、前を通りすぎようとすると、入場無料
と書いてあるのが、目にはいった。

私は無料ということばによわい。
さらに、「クーリングシェルターあり」と書いてある。
誘蛾灯にひきこまれる蛾のように、入っていった。

受付に施設を管理されている職員さんがいた。
かるく目礼して入る。
「クーリングシェルターはどこかな。」
と思ってさがしていると、職員さんから、
「ご案内しましょう。」
と言われた。
「あ、ありがとうございます。」と言ってついていく。
いまさら、いや、涼みにきただけですから、などとは
言えない。

そうして、かなりの時間をかけて案内してくださった。
ポイントをまとめると、

1.西園寺公望は竹を使った内外装を好んだ。
2.軍部からにらまれた宰相のため、セキュリティ
 にも気をつかった。窓の格子に竹を使っているが
 なかには鉄の棒が入っている
3.内部は和洋折衷のつくりであるが、華美ではなく
 質素な生活を好んだようだ。
4.興津を別荘の地に選んだのは、東京からも
 大阪からも特急列車で行けるから。
(西園寺公望は特急「燕」の停車駅に静岡を
 加えさせたといわれている)
5.西園寺公望は、生涯独身であったため、
 坐漁荘には住み込みで働く女中頭だけが
 いっしょに住んでいた。台所はシンプル
 であり、料理は出さなかった。


といったところである。とりわけ、竹をつかった
内外装は興味深かった。

案内していただいたお礼を言って、坐漁荘をあとにする。
結局、クーリングシェルターはどこにあるのか、
わからなかった。

しばらく国道1号線の旧道を歩き、静清(せいしん)
バイパスをくぐったところを左に入る。
東海道本線を踏切でわたり、もういちど、国道1号線
に合流。辻町の交差点で、右にはいると、江尻宿の
東木戸跡があり、宿場の中心にはいっていく。

清水駅には、午後2時すぎに着いた。
江尻宿の散策は次回にまわし、今日はここで終わる
ことにする。クルマを置いてある新蒲原までの切符
を買い、東海道本線の上り列車に乗る。

shimizu01.jpg
清水駅にて


今回の旅は、3日間歩いて、57kmあまり。
ダメダメである。やはり、夏の歩きはきついわ。
自転車だと、走っていると風を受けるから、
体温が下がるんだけど、歩いていると、暑さからは
逃げようがないから。
次回は秋か冬にやろうと思う。


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