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旧東海道徒歩の旅 DAY10 東田子の浦~新蒲原 その4 [旧東海道徒歩の旅]

旧東海道を歩いた。(東田子の浦~新蒲原)

DAY10 東田子の浦~新蒲原 約18.4km

蒲原は、日本橋を出てから15番目の宿場である。
日本橋からの距離は、37里21町45間(147.7km)
となっている。

広重は、蒲原について、夜の雪景色を描いた。
この「蒲原 夜之雪」は、五十三次シリーズのなかでも
最高傑作という評価をされる方が多く、実際、江戸時代に
おいても、かなり売れたという。


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歌川広重作「蒲原 夜之雪」(保永堂版) 


雪が降る夜、行き交う旅人。
その深い静寂と旅情は、見る者を圧倒する。
江戸時代においても、
「こんなん見せられたら、もう、行くしかないやん。」
という感じで、旅に出た人も多いと思う。

実は、私もその一人であり、この夜之雪が描かれた
ところが、どんなところなのかを見に行く、
というのが、この旅に出たひとつの動機であった。
徒歩で行くということに、意味があったのだ。

蒲原夜之雪記念碑は、旧東海道から、すこし、
はずれたところにある。宿場の中心あたりに
ほそい川があるのだが、そこに沿ったところに
ちいさな公園があり、記念碑が立っている。
ここが夜之雪が描かれたところである。
現在は住宅街のど真ん中であり、当時の面影は、
まったくないけれど。

よく言われているように、蒲原はあたたかい
ところであり、めったに雪なんか降らない。
なぜ、広重は雪景色にしたのか。
まあ、五十三次シリーズのなかで、
ひとつのバリエーションというか、
変化をつけたかったのだろうな。

五十三次シリーズのなかで夜景を描いたのは、
蒲原だけだけど、背景をモノクロームにする
ことにより、夜を表現している。それとともに、
旅人の姿を色刷りにして、強調している。
こういった効果をより高めるため、あえて、背景を
白黒のコントラストの強い雪景色にした、といった
ところではないか。

私は広重の五十三次シリーズのなかでは、
この蒲原「夜之雪」と庄野の「白雨」が好きで、
子どものころ集めていた永谷園のお茶漬け海苔
東海道五十三次カードのなかで、この2枚は
宝物であった。

蒲原夜之雪記念碑をみたあと、新蒲原の駅にむかう。
まだ、午後2時すぎで、18kmちょっとしか歩いていない。
けど、熱中症予防のため、今日はここで終わることにする。
クルマは新蒲原駅ちかくの駐車場に置いてある。
チケット方式で、24時間置いて300円であった。

クルマのなかで着替えてから、イオンモール新蒲原に行き、
ロックアイス1kg98円と、水2リットル70円を買う。
2リットルのポットのなかにぶち込み、ガシャガシャと
振ってから、一気に飲む。
この日も33℃を超す暑さだったので、生き返る思いがした。


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