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ピエリ守山に行ってみた [旅情報]

滋賀県守山市のピエリ守山に行ってみた。


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ピエリ守山

ちょいと、滋賀県の石山に行く用事があり、
ついでにピエリ守山に行ってみた。
ピエリ守山は、滋賀県守山市今浜町に所在する
滋賀県内最大のショッピングモールである。
2008年9月20日に開業したのち、深刻な業績不振に陥った。
テナントがどんどん出ていったことにより、
“明るい廃墟”などと言われたものである。

2014年2月28日に、全面リニューアルのため休館。
同年12月17日にリニューアルオープンした。
以降は好調であるという。

なぜ、ピエリ守山は復活したのか。
そのことに以前から興味があったので、
見に行ってみようと思ったのである。

なお、私自身は広告代理店勤務時代に、
外食産業のエリアマーケティングを
担当していた時期があったが、
現在は、まったく違う仕事をしている。
つまり、仕事で行ったのではない。
純粋に興味があったから行ったのである。
すなわち、これは旅である。



1. なぜピエリ守山は不振に陥ったのか

pieri.jpg

上の図は、地図上でピエリ守山を中心に半径3kmの円を
描いたものである。
あらゆる商業施設について、いえることであるが、
半径3kmの円のなかに住む人が顧客の多くを占める。
どれくらいの比率を占めるのかは、競合状況とか、
業種に左右されるので、いちがいにはいえない。
私が担当していた外食産業だと、ざっと、
8割くらいを占めていたな。

ま、とにかく、半径3kmの円のなかに、
どれくらいの人口があるのかは、その店にとっての
命運を左右するのである。

ピエリ守山にとって、半径3kmの円内の半分以上を
占めるのは琵琶湖である。また、店の南には、
広大な田園地帯がひろがっている。

今回、ピエリ守山を訪ねるにあたって、この地図を
つくってみて、私はくらっときた。
この、くらっとくる感覚というのは、マーケティングを
やってきた者にしか、わからないかもしれないけれど。


店の南側、つまり、守山市がわからの集客に
ほとんど期待できない以上、琵琶湖の対岸、
堅田(かたた)、大津、あるいは京都市内から
集客することををねらうしかない。
つまり、琵琶湖大橋をわたって、やってくる客である。

しかしながら、そういった地域にすむ顧客にとっては、
琵琶湖大橋をわたる心理的な距離は、
やはり大きかったようだ。
ピエリ守山としては、琵琶湖大橋の無料化に期待して
いたようだが、結局、2029年まで延期となっているし。


2. なぜピエリ守山は復活したのか

結論から先に言うと、ピエリ守山は復活していない。
単に店のコンセプトが変わっただけである。

現在のピエリ守山は、キーテナントが存在しない
という、日本国内のショッピングモールとしては、
非常にめずらしい形態のモールとなっている。

キーテナントとは、その施設の中核となるような機能を
もつ重要なテナント。ショッピングセンターの場合には、
百貨店や総合スーパー、専門店の旗艦店など、
そのショッピングセンターの商圏や客層を決定する
重大な影響力をもつ大型店で、当該ショッピングンセンター
のなかで最大の売場面積を有するもの。
核店舗、アンカーテナントまたはアンカーストアともいう、
と説明されている。
(日本SC協会による)


開業当初、ピエリ守山には、食品スーパーのバローが
キーテナントとして入っていたが、すぐに撤退している。
やはり、この立地では、最寄品を購入する顧客の集客には、
無理があったのだ。

キーテナントを持たないショッピングモールの代表は
アウトレットモールである。米国ではともかく、
日本のアウトレットモールのコンセプトは、
“駐車場のある高級専門店街”なのだが、
ピエリ守山のコンセプトは、アウトレットモールとも異なる。

現在のピエリ守山のコンセプトは、ずばり、
ニューファミリー向け
“ごった煮”モール



ピエリ守山の店舗構成で、まず目につくのは、
H&M、ZARA、GAPといった外資系のファストファッション
のショップ。あるいは、キッズやベビーの店である。
それだけならば、
「ああ、ニューファミリーをターゲットに、
ファッションに振ったのだな。それならば、
ある程度、広範囲からの集客も見込めるし、
悪い選択ではないな。」
と思わせる。だが、一方でニトリやCASAといった
家具・インテリアの店もあり、さらには、
スーパー銭湯まである。
いったい、なんやねん!と思ってしまうのである。

まあ、関西では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンという
ごった煮型のテーマパークもあるし、
案外、こういうのがウケるのかもしれないけれど。


3. ピエリ守山の今後

現在のピエリ守山の近辺には、三井アウトレット
パーク滋賀竜王という、強力なライバルがいる。
現状のコンセプトと店舗構成をみると、
「こんなもんで戦えるのかいなー。」
と思わせる。

おそらく、もう一度、コンセプトの見直しがはかられる
ものと思われ、その際には、スポーツ、レジャー系が
取り入れられるのではないか。自転車やバイクなど、
結構、マニアックな店が、商圏も大きく、案外、ウケる
のではないかと思うが。

まあ、テナントとしてみれば、破格の地代で
入居しているものと思われるので、
単独の店舗として採算がとれなくても、
広大な売り場面積を占めることにより、
企業、ブランドの宣伝になれば、それでいい、
と思っているのかもしれないけれど。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
ピエリ守山は、かつては明るい廃墟などといわれたが
現在は再生をはかっている。なまあたたかい目で
見守りたいと思う。



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