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本年もどうもありがとうございました [ひとりごと]

本年も当ブログをお読みいただき、
どうもありがとうございました。

例年、すこし長めの挨拶になって恐縮だけれど。
私らの世代の若い頃の世界と、
現在の世界が最も違うと思われるのは、
私らの世代が、グローバル化というものを
すすめて行ったのに対して、
現在の世界は、アメリカファーストとか、
ブレグジットというように、
個々の国々を大事に考える傾向が
強くなっていることである。

これを、保守とか孤立主義がつよくなっている、
というふうに見る人もいるけれど、
実際には、リベラルの目指していた世界、
つまり、グローバル化により、世界中の
すべての人々が豊かになるということが
失敗したとみるべきではないか、と思うのだ。

私らの世代では、リベラルが非常に強かった。
だから、グローバル化により、
すべての国の人々か豊かになるということは、
人類が目指すべき一つの理想として
追求されてきたのである。

結果として、1980年代において発展途上国と
言われていた国々が、現在では非常に豊かになり、
先進国との差が縮まった。
その典型的な例が中国だと思う。

それはそれで、結構なことなんだけど、
やはり、先進国にとっては、発展途上国の
経済的発展をすすめていくうえで、
技術とか資本の持ち出しが多かった。
現在は、それに対する一種の反発として、
保守および孤立主義の台頭があるわけで、
ある意味、当然といえば当然の流れである。


まあ、グローバル化というものが、
きれいごとにすぎないということは、
私たちの世代も、ある程度、気がついていた
んだよね。

この社会の仕組みとして、富の再配分という
ものがある。豊かなところから、貧しいところへ、
富の再配分を行うことによって、
資本主義社会全体が円滑に機能するように
しているわけである。

しかし、同じ日本人同士でも、それはむずかしい。
年金制度や、生活保護などの社会福祉制度が
行き詰まってきていることでも、そのことはわかる。
であるのに、なぜ、発展途上国の人たちに
富の再配分をしなければいけないのか。
それはないだろう、ということは、
みんな思っていたんだよね。

けれども、言えなかった。
私たちの世代では、マスメディアはみんな
リベラルだったから、彼らに社会全体の論調が
支配されていた。
発展途上国への援助を否定するようなことを言ったら、
非常識な人として社会から抹殺されてしまう。
だから、怖くて言えなかったんだよね。

ネットの世界が発達したことにより、
みんな、ホンネでモノが言えるようになった。
おかしいと思うことはおかしいと、
みんなが自由に発言できるようになった。
現在の保守および孤立主義の台頭は、
こういった流れとは無縁ではないと思う。

この流れは、しばらくは止められないだろうね。

けれども、自分たちさえよければよいという
この流れが、本当に生きるのにやさしい社会
なのかどうか。
私たちは考えていかなければならない、と思う
今日このごろである。



みなさまからの励ましのメッセージのおかげで、
今年も1年間、記事を書き続けることができました。
感謝申し上げています。
みなさまにとって、来年がいい年でありますように。
そして、どうか、みなさまが健康でありますように。