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ARISTA EDU ULTRA 400インプレ その2 [ムダ知識]

ARISTA EDU ULTRA 400とネオパン100 ACROSを
比較してみた。


arista02.jpg

ARISTA EDU ULTRA 400(左) ネオパン100 ACROS(右)
※クリックすると大きな画像(約750kb)が表示されます。


前の記事に対して、メッセージをいただいた。
やはり、というか、なんというか、
「いまどき、白黒フィルムについて
記事にしても、関心を持つ人なんて、
誰もいないでしょ。」

というものであった。

もちろん、そのとおりです。

けど、私のブログは、100人のうち、99人にとって
役に立たなくても、1人に、

「たしかに、あんたのいうとおりだよ。
それに、こんなこと書いたの、
あんたがはじめてだよ。」


と言われることをめざしているのである。
だから、これでいいのである。


個人が趣味で書いているブログに対して、
マスメディアと同じ機能を求められても困る。
たしかに、いまどき白黒の銀塩写真をやっている人、
あるいは、これから白黒の銀塩写真をやろうとしている人
というのは、ごく少数であろう。
でも、そのごく少数の方にとって役に立てば、それでいい。
それこそが、ブログのいいところだと思う。


前置きが長くなったけど、ネオパン100 ACROSが
生産中止になったことにより、私にとっては試行錯誤が
続いている。代替製品として、ARISTA EDU ULTRA 400を
候補に選んだわけだけど、なかなか満足のいくネガが
得られないのである。

そこで、ネオパン100 ACROSとARISTA EDU ULTRA 400
について、同じ被写体を撮影し、同一の条件で現像してみる
ことにした。

120サイズのフィルムを使い、6×9センチ判で撮影。
曇りの日の林の中という、あえて厳しい条件を選んだ。
現像はタンク現像で、以下のようにした。

 現像液 D-76原液
 温度  20℃
 現像時間 8分



その結果であるが、上の写真のとおりである。
プリントしてしまうと差がわかりづらくなるから、
あえて、ネガのまま、比較してみるね。


ARISTA EDU ULTRA 400は、高感度ゆえに、シャドウ部が
写ってしまって、ややコントラストの低いネガになった。
全体的にメリハリがなく、のっぺりした感じである。

それに対して、ネオパン100 ACROSは、シャドウ部が
きれいに落ちて、コントラストの高いネガになった。
しかも、階調は非常に豊富で、ハイライトからシャドウまで、
きれいに表現されているね。

どちらのネガを使えば、きれいにプリントできるかは、
あきらかである。

白黒写真ってやつは、ネガの出来でほぼ決まってしまう。
プリントで調整できる範囲はわずかであり、
どんな暗室の名人であっても、出来の悪いネガから、
いいプリントをつくることはできないから。


結論
ARISTA EDU ULTRA 400は、
D-76で標準現像したのでは、
いいネガを得ることができない。



対策としては、露出を0.5段ほどきりつめたうえ、
D-76で現像時間をおし気味、つまり9分から10分
くらいに伸ばすか、あるいは、D-76のような
MQ(メトール - ハイドロキノン)系ではなくて、
もっと、現像能力の高いPQ(フェニドン - ハイドロキノン)系
の現像液を使った方がいいかもしれない。
これについては、あらためてレポートしてみようと思う。


なお、粒状性については、あきらかにネオパン100 ACROS
の方がすぐれている。ネオパンは、これまでの経験からいって、
6×9センチ判で全紙まで引き伸ばしても、余裕である。
それに対して、ARISTA EDU ULTRA 400は、6×9センチ判で
全紙まで伸ばすと、やや、ざらっとした感じになるだろうね。

まあ、これは好みの問題かもしれないけど。


私自身は、粒子の見えない写真が好きである。
だから、ネオパン100 ACROSの生産中止は、本当に残念。
ていうか、もう、40年以上、ネオパンとD-76の組み合わせを
使ってきて、なにも考える必要がなかったのである。
なのに、なんで、いまになって、こんなに苦労しなければ
ならないのか...。

まあ、なくなってしまったものを惜しんでいても
仕方がない。なんとか、ARISTA EDU ULTRA 400で
良好なネガを得られるまで、実験を繰り返して、
データを取り続けるしかないね。



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