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1,900円のテントの実力 [ムダ知識]

1,900円で買ったテントでキャンプをしてみた。


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マクロス 2人用 ドームテント MCO-23


6月21日から27日まで、北海道から青森県の下北半島まで、
約490km、自転車で走ってきた。
その話は、また、こんどにして、今回は1,900円で買った
テントのインプレである。
結論から先に言うと、晴れた日の使用に限定して、
他人からの視線を気にしなければ、なかなかのスグレもの
である。


私が現在、メインで使っているテントは、スノーピークの
ランドブリーズシリーズで、SSD-411という製品である。
もう、10年以上も前に、友人から2万円で譲ってもらった。
とてもいいテントなのだが、ちょっと重い。テント本体と
ポール、フライシート、ペグの合計で、約2.5kgある。

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スノーピーク ランドブリーズ SSD-411 (ラージフライ仕様)
えりも百人浜オートキャンプ場にて


SSD-411は、その重量のわりに内部はあまり広くなく、
若干、中途半端な感じがする製品である。
友人は数回使っただけで、私に譲ったのだが、
その理由は、何回か使ううちに、私にもなんとなく
わかった。

まあ、当時の私は、主としてオートバイで旅を
していたので、2.5kgという重さは、あまり苦に
ならなかった。
フライシートがやたらとデカいので、風に弱い
という欠点はあるけれど、雨にはめっぽう強いので、
少々、天気の悪い日でもキャンプができるという
強みもあったし。

しかしながら、自転車に積んで走るのは、さすがにしんどい。
前回のツーリングで会った自転車乗りには、
「これ積んで、走っているの?」
と驚かれてしまった。言外に、バカじゃね、という響き
があったな。www


ということで、テントの軽量化をはかることにした。
自転車に積んで走るとしたら、総重量で1.3kgくらいの
製品にしたい。必然的にレジャー用テントメーカーの製品は
候補から外れ、山岳用テントメーカーの製品からの選択となる。
具体的には、

 モンベル ステラリッジ テント1(1.28kg 約3.9万円)
 アライテント トレックライズ0(1.25kg 約4万円)
 ICI石井スポーツ G-LIGHT X(1.2kg、約5万円)

などといったところか。


私は登山をやっている友人に相談することにした。
その友人の返事は、
「チャリンコで走って、そのへんのキャンプ場
で寝るのに、なんで、そんないいテントが
いるんだよ。」

であった。

私が「軽量化をはかりたいのだが。」と言うと、
「どうせ、おまえら、雨の日にキャンプなんか、
しないんだろ。だったら、そのへんで売ってる
2,000円くらいのテントで十分じゃね。」

とかいう。

頭にきて電話を切ったが、冷静になって考えた。
たしかに、自転車で走っているときの私は、雨の日に
キャンプなんかしない。民宿かビジネスホテル、
もしくは深夜営業の健康ランド、漫画喫茶に直行である。

山屋にとって、山岳用テントというものは、厳冬期の高山、
吹雪のなかであっても、生命を守るための道具である。
軟弱な自転車乗りに、晴れた日限定でそのへんで寝るのに
使われたりしたら、腹が立つ、という気持ちも、
わからないではない。

また、現在、私がメインで使っているスノーピークの
SSD-411は、もう10年以上、すくなくとも100泊は
しているが、まだまだ使える。そのあたりは、さすがに
スノーピークの製品である。

ということで、現在の私に必要なのは、
「安価で軽いテント」
であり、
山岳の上級者が使うような「軽量で信頼性の高いテント」
ではない。どうやら、私は考え違い
していたようだ。


ということで、私が選んだのが、マクロス 2人用
ドームテント MCO-23。楽天で1,900円で買ったのだが、
これが、なかなかのスグレものである。

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マクロス 2人用 ドームテント MCO-23


商品が届いて、さっそく説明書を読むと、
「雨天でのご使用は、おすすめできません。」
という、ショッキングな文言が書いてあった。www

その理由であるが、このテントにはフライシートがない。
シングルウォール構造なのだが、その生地は、なんというか、
DIY店で売っている安物のヤッケのような感じである。
しかも縫製が粗く、激しい風雨に対しては、とてもではないが
もちそうもない。

しかしながら、非常に軽く、総重量は約1.3kgしかない。
スノーピークのSSD-411にくらべて、1.2kgも軽く、
この差は大きい。

地面にあたる部分は、ドカシーのような素材。
安っぽいけれど、絶対に浸水しないという安心感がある。

そして、このテントの最大の特徴であるが、自立する。
これは、なにものにもかえがたいメリットである。
自転車で旅をしていると、次のキャンプ場まで行き着く
ことができず、国道のパーキングスペースなどで、
テントを張って寝ることもある。
そういう場合、テントが自立すれば、ペグの使えない
アスファルトやコンクリートの上でも使うことができる。

個人的にどうしても許せなかったのは、ポールの品質である。
安物のグラスファイバーなのだが、ガラス繊維が手に刺さり
そうである。
これについては、初代テントのジュラルミン製ポールを流用した。
テント本体は捨てたものの、ポールだけ残しておいたのだ。
1節をぬけば、ちょうどよいサイズであった。
そんなもん、まだ持っていたのかよ、とか言われそうだけど、
私は、こういうものは捨てられない性質(タチ)なのである。

実際に使用した最初の日は、パラつく程度の小雨であった。
が、木陰で使えば、雨漏りすることはなかった。
もちろん、強い風雨になったら終わりで、そういうときは、
さっさと撤収するに限る。山でキャンプをしているならば
そういうわけにはいかないけれど、平地のキャンプ場ならば
それくらいの融通はきく。そのように使用目的を限定すれば
このテントは、十分、実用になるといえよう。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
マクロス 2人用ドームテント MCO-23(1,900円)は、
晴れた日の使用に限定すれば、十分使える。
軽くて自立するということで、メリットも多い。
なかなかのスグレものであるといえよう。


このテントを使ううえで、最大の障壁は、他人からの
視線であろう。

私自身は、基本的に、いつもひとりで走っているし、
泊まるのは、ローカルの誰もいないキャンプ場である
ことが多いので、それほど気にならない。
けれども、関東近辺の人気のあるキャンプ場で、
一流アウトドアブランドの用具を揃えた家族連れの横で、
このテントを使えるか。
ゴミを見るような視線に耐えられるか、
というと、ちょっと自信がないね。www

あるいは、友人とツーリングをして、
彼らが使っている一流メーカーのテントの横で、
このテントがひろげられるか、というと、やはり自信がない。

そのように考えると、アウトドア用品というのは
一種のファッションであり、機能や使い勝手で選ぶ
というのは、バカげているのかもしれないね。


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