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釧路~長万部自転車ツーリング その3 [日本外周自転車の旅]

釧路から長万部まで、自転車で走った。(2日め)


2日め  豊頃(とよころ)町~えりも町百人浜
    約101km

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2017年6月24日土曜日午前4時。私は長節(ちょうぶし)湖
キャンプ場にいた。

テントで寝ていると、クルマが来て、ドアを開閉する音が
バタン、バタンと響いた。そして、2~3人の人の声が。
こんなに早くから活動する人たちというと、おそらく、
釣り人であろう。めんどうくさいから確認しなかったけど。
朝5時ごろ起きたときに見ると、やはり釣り人で、
なにやら、長い竿で湖にむかって、ルアーを投げていた。

長節湖は、冬になるとワカサギ釣りで有名だけど、
いまはシーズンではない。シーバスのような汽水域に
棲む魚でも、ねらっているのだろうか。

午前6時ごろ、出発した。国道336号線をすすむ。
コンビニどころか、なにも店がない。ときどき、牧場がある
だけである。

晩成温泉(ばんせいおんせん)という案内標識があった。
海を見ながら温泉にはいることができ、しかもキャンプが
できるという、言うことなしの環境である。
じつは、私の計画では、昨夜は晩成温泉に泊まる予定であった。
けれども、釧路のゲストハウスでフランス人と話し込み、
寝坊してしまって、着くことができなかったのであった。

大樹町(たいきちょう)にはいる。
道端にスペースシャトルの模型があり、大樹町宇宙交流センター
「SORA」と書いてある。

そうだった。
忘れていたけれど、大樹町にはロケットの打ち上げ施設があり、
民間による低価格の衛星打ち上げをめざす、インターステラ
テクノロジズ社が設立されているのである。この会社は、
ホリエモンこと、堀江貴文氏が関係している。

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大樹町宇宙交流センター「SORA」の案内


そういえば、もうすぐ、液体燃料のロケットの打ち上げが
行われるはずである。けれども、とくに盛り上がっている
感じではない。打ち上げに成功するとは、だれも思っていない
ようであり、町は静かであった。

午後1時、広尾町につく。広尾駅に行ってみた。
六本木のつぎの駅ではない。かつての国鉄広尾線の終着駅である。
私にとっては、35年ぶりの再訪であった。
旧駅舎は、現在はバスターミナルとして使われている。
なかに入ると、改札口の周辺などは、ほぼ昔のままであった。

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旧広尾駅の駅舎

ふたたび、国道336号線を走る。ここからは、えりも岬黄金道路
といわれる区間であり、日高山脈が海に落ち込む断崖絶壁に
そって走る。
フンベの滝というのがあった。何人かのオートバイ乗りが
写真を撮っている。が、20メートルくらいの細い流れであり、
滝というほどのものではない。こんなもん、パスである。
トンネルとスノーシェードが連続する。約20kmほど走ると、
いよいよ今回の旅のハイライト、「えりも黄金トンネル」に着く。

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えりも黄金トンネルにて

えりも黄金トンネルは、北海道最長のトンネルであり、
全長は4,941メートルにおよぶ。自転車が通ることができる
一般国道で、これよりも長いトンネルとしては、国道194号
の寒風山トンネル(5,432メートル)があるのみである。

はっきり言って、これほど長いトンネルを自転車で通るのは
命がけである。今回、私は、えりも黄金トンネル対策として、
反射材でできたタスキを2本かけているほか、
自転車に赤いピカピカを2個装着。
さらに、ヘルメットにも赤いピカピカをつけている。

ま、こんなもん、気休めにすぎないけど。

北海道のクルマは、一般道でも、時速80~90kmで走る。
だから、トンネル内で100メートルくらい先を走る私を
見つけても、4~5秒で追いつくことになる。
ちょっと、よそ見でもされたら、ひとたまりもない。

午後3時16分、えりも黄金トンネルに入る。
交通量はすくない。けれども、クルマは考えられない速度で
ぶっとんでくる。タイヤがアスファルトを噛むときに発生する
パターンノイズ(乗用車だとシャーッという音)の音程で、
だいたいの速度がわかるのだが、時速100kmをかるく超える
速度で、後ろからクルマが迫ってきたときは、なかなかの
恐怖であった。午後3時32分、えりも黄金トンネル通過。


庶野(しょや)で国道336号線かわかれ、北海道道34号線に入る。
ちいさな食料品店をみつけたので、食料を買っておく。
大したものは売っていなかったので、さんまの缶詰と
魚肉ソーセージだけを買った。この先には、食料品店がまったく
なかったので、ここで調達しておいて正解であった。

えりも岬にむかって、南に走る。地図のうえでは、百人浜に
沿って走っていることになっているけれど、浜までは遠く、
どうやって行くのだろう、と思うほどであった。
こんなところでもと言っては失礼だけど、大きな家が建っており、
人が生活している。どの家にも必ず、大きな灯油タンクが
備えてあった。人は灯油さえあれば、どこでも生活できる
のだろうか。午後5時、百人浜オートキャンプ場に到着。

百人浜オートキャンプ場は、フリーテントサイトが1泊310円
という、まことに良心的な価格であるうえ、環境はすばらしい。
言うことなしであった。

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百人浜オートキャンプ場

私のほか、泊まっているのは、長期滞在している雰囲気の
老夫婦など。土曜日だけど、とても空いていた。
近くにある高齢者センターにあるお風呂に行く。
とても安い料金であった。
湯上がりに爽健美茶を飲み、テントで寝転がる。
静かな夜であった。明日はいよいよ、えりも岬に到達する。
午後8時ごろ、就寝。


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