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マイナス15℃のなか、車中泊をしてみた 2 [旅情報]

北海道で、マイナス15℃のなか、車中泊をしてみた。
そのつづき。


2017年2月5日午後11時。旭川のちかく、国道39号線沿い
にある、道の駅当麻(とうま)に着いた私は、
車中泊の準備をはじめた。
この夜の当麻付近は非常に寒く、午後11時の時点で
気温はマイナス10℃であった。夜明け前には、
さらに冷え込むに違いない。

そんななかでも、駐車場には、車中泊をしているクルマがいた。
仲間がいると、なんだか、こころ強いね。
まあ、もちろん、共倒れというか、みんなで仲良く凍死する
可能性も、ないとはいえないけど。www

シートをフルフラットにして、段差を服でうめる。
さらに、エアーマットを敷き、使い捨てのカイロを10コ、
貼り付けていく。予想どおり、このカイロは非常に暖かく、
一晩中、寒さを感じることはなかった。

kairo.jpg
マットレスに使い捨てのカイロを貼り付けていく

さらに、窓の内側に銀色のシートとプチプチを貼り、
断熱を高めることにする。そうして、最後に掛け布団をかけ、
横になった。

shachu.jpg
車中泊のようす

うんうん、あったかい。
私はすぐに、眠りについた。



午前3時ごろ、目がさめた。
なんだか、顔が痛い。
温度計をみると、マイナス15℃になっている。
ここまで気温が下がると、寒いというよりも肌が痛く感じる。

やばい。これ以上、気温が下がると、肺が凍ってしまう
かもしれない。私は自作のキャンドル・ストーブを取り出し、
火をつけた。
ライターは、ターボ式のボォーッというやつ。
大洗港に行く途中、ダイソーで買ってきた。
ふつうのライターだと、ガスが気化せず、火がつかない
ことがあると聞いたから。

candle.jpg
自作のキャンドル・ストーブ
(アルミの空き缶を利用している)


せまいクルマの中なので、キャンドル・ストーブをつけると、
すぐに気温が上がる。ただし、酸素の消費量が急速に増える。
通気性のいいテントの中なら、このまま寝てしまうのだが、
クルマのなかだから、そうはいかない。
換気用にあけている、窓のすきまを10ミリにひろげて、
用心のため、しばらく起きて、炎を見ていた。

しずかな夜であった。
ああ、ひとりだな、と思う。
午前4時ごろには起きて、走りはじめるつもりだったのだが、
キャンドルの炎をみているうちに眠くなり、
深いねむりに落ちてしまった。

目がさめると、午前8時だった。
9時間も眠ってしまったことになる。
「どこが仮眠やねん!」
と自分でツッコむ。
いっしょに車中泊をしていたクルマは、すでに、
みんな出発していた。

温度計をみると、気温はマイナス10℃。
ボトルのなかに入れていたお茶が、カチンコチンに凍っている。
そんな寒さのなかではあるが、あたたかい寝具と、
10コの使い捨てカイロのおかげで、一晩中、寒さを感じる
ことは、まったくなかったな。

バッテリーの能力が低下していないか、心配だったけど、
セルフスターターをまわすと、一発でエンジンがかかった。
よしよし。えらいぞ。
とりあえず、エンジンをあたためて、ヒーターを入れる。

demi.jpg
一発でエンジンがかかったデミオ

前の日に買っておいた、朝食のサンドイッチは
凍っていて、食べるとシャリシャリという。
低体温症になるとまずいので、すぐ近くにあるローソンに入り、
あたたかいコーヒーとおにぎりを買った。
「おにぎり、あたためますか?」
という、店員さんの一言が、とてもありがたかった。



ということで、今回の記事のまとめであるが
マイナス15℃のなか、車中泊をすることは可能であった。
けれども、十分な装備を持っておく必要がある。
また、マイナス15℃以下に気温が下がると、
本当にやばいかもしれない。
ということで、あまり、おすすめできることではない。
やられるとしたら、自己責任でお願いします。


東京に帰ってから、この車中泊のことを、
北海道で暮らした経験のあるmicyuさんに話したら、
こっぴどく、叱られてしまった。
なんでも、北海道では、毎年、何人かの人が、
吹雪(ふぶ)いた状態で、クルマのなかに閉じ込められ、
死ぬんだそうだ。

「天気がよかったから無事ですんだけど、
吹雪いていたら、どうするつもりだったんですか。」
と言われてしまった。

まあ、たしかに。
北海道をなめると、本当にまずいのかもしれない。
真冬に車中泊をやるのなら、東北までだね。
(^^;



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