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私はコレでオートバイをやめました ~白内障のはなし [ムダ知識]

前回の記事で、白内障が進行したことにより
オートバイに乗るのをあきらめた話をしたのだが。


それについては、読者の方々より、いろいろな
ご意見をいただいた。そのなかで、いちばん
多かったのは、
「白内障の手術は簡単だから、
はやめに受けた方がいいですよ。」

というものであった。

どうもありがとうございます。
さすがに、読者のみなさんは、よくわかっていらっしゃる。
手術については、少し、考え中です。

その話はおいといて、今回の記事では、白内障により
片眼の視力が悪くなっている状況でオートバイに乗ると
どうなるか、について、私の経験談を書いてみたい。
中高年でオートバイに乗っておられる方にとって、
参考になることがあるかもしれない、と思うからである。



まず、白内障の進行中は、ほとんど自覚症状がない。
この病気の怖いところは、いつのまにか深刻な状況に
なっていることだね。
私が最初に白内障と診断されたのは、約10年前。
50才になる直前だった。例の眼医者に行ったとき、
「うーん、左眼に白内障が出ているねー。」
と言われた。

「え?! そうなんですか。」
「うん。自覚症状ない?」
「ええ、まったく。」
「ふーん、じゃ、まあいいか。様子をみましょう。」
とだけ言われ、「はい、次の方~」であった。

帰ってから、私は白内障について、ネットなどで
情報を集めた。そして、自分ではどうしようもない、
ということがわかった。その後、忙しかったこともあり、
私は自分が白内障であることを、いつのまにか
忘れていた。



2年ほど前から、私はオートバイで高速道路などを
走るとき、まっすぐに走っていないことに気がついた。
もちろん、ふらふらという感じではない。
私は高速道路の3.5メートル幅のレーンだと、
左端から1.5メートルくらいのところを走るのだが、
気がつくと、1.2メートルくらいのところを走っていたりする。
自分で自分の運転を観察してみると、
1分くらいの周期で、50センチから1メートルくらいの幅で
蛇行していることに気がついた。

「いよいよ運転のどヘタさに
ターボがかかってきたかなあ。」

と思っていたのだが、実際には白内障が進行した
ことにより、左眼の視力が悪くなり、立体視の能力が
落ちていたんだね。
だから、まっすぐに走れなくなった。

現在は、50センチから1メートルくらいの幅で蛇行する
だけだけど、これが1メートルから2メートルくらいに
なってくると、あきらかに危険である。

ちなみに、この時点では、
左眼の視力が落ちていたことには、
まったく、気づかなかったね。


視力検査をしたときも、左眼は0.8あったし。
じつは、現在も視界がかすんでいるだけで、
視力そのものは、0.8出ている。
けれども、脳のほうで、そういった像は使いものに
ならないから、必死でキャンセルしているのである。
だから、立体視の能力に影響が出る。

ちなみに、こういう状況だと、脳がとてもつかれる
らしい。2年ほど前から、長時間、オートバイを
運転していると、やたらと疲れるようになった。
立川から大井川鉄道の接阻峡温泉まで往復した
だけで、クタクタになったね。
「年齢のせいで、集中力が落ちている
のかなあ。」

と思っていたのだが、ようするに視力が落ちていたんだね。



片眼の視力が悪くなることにより、立体視の能力が低下
してくる。それは、運転操作にどのように影響するのか。
結論から先にいうと、個人差が大きいようだ。
まったく平気である、という人もいれば、
怖くて仕方がないという人もいる。

人間の眼は、左右60ミリくらい離れていて、
モノがずれて見えることにより、立体的に見える。
この立体視の能力については、高い人と低い人
がいるようで、高い人にとっては、片方の眼の
視力が急に落ちると、とても怖い。

私自身は、左眼が0.8、右眼が1.0の視力がある。
だから、もともと立体視の能力が高い。
中学、高校時代は、バスケットボールで
シューターとしてならした。
中型免許の限定解除をしたときも、
深視力の検査を難なくクリアしている。

ま、とにかく、私は生まれてから59年間、
立体視の能力がすぐれていることを前提に
生きてきた。だから、左眼の視力が落ちて、
立体視の能力が低下すると、怖くて仕方がない。
現在は、駅の階段の上り降りも、手すりに
つかまっているような状態である。

それに対して、もともと、片方の視力が0.1くらい
しかない、みたいな人だと、そもそも、立体視に
たよって生きていない。だから、片方の眼が白内障
になって視力が落ちても、平気らしいのだ。

立体視の能力が落ちる人は、見えるものの大きさ
により、距離を判断する。だから、常に距離を測ろう
とする対象物に近づく傾向がある。
いつも、前のクルマとの車間距離をつめて走るのは、
だいたい、こういう人みたいだね。



現在の私は、まっすぐに前を見ている状況(図1)
では、立体視の能力は、それほど落ちていない。

eyes1.gif
図1

けれども、ななめに見る図2の状態になると、
とたんに落ちてくる。

eyes2.gif
図2


オートバイの運転でいうと、ミラーを見たとき、
後ろのクルマとの距離、速度差がどれくらいあるのか
が、わからなくなってきた。
まあ、像の大きさで判断すればいいのかも
しれないけど、もともと、立体視の能力が高くて、
ミラーに映る像だけで、後ろのクルマとの距離と
速度差を判断できていた人間が、それが出来なくなると、
怖くて仕方がないのである。

まあ、これについても、
個人差がありそうだけどね。


フルカウルのスーパースポーツ車なんかだと、
もともと、ミラーが見づらいし。
また、そういうオートバイに乗っている
運転が上手な人は、いちいち、ミラーなんか見て
走ってないもんな。www

私の場合は、運転がどヘタだから、立体視の能力
に頼りきっていた。だから、それが出来なくなった時点で
危険なのである。
座頭市は、映画のなかで、
「み、耳やられちゃ、おしまいだかんな。」
と言ってたけど、私の場合は、
「め、眼やられちゃ、おしまいだかんな。」
なのである。

そういった意味で、白内障で眼をやられてしまった私は、
もう、オートバイには乗ることができない。
立体視に影響が出ている状態でオートバイに乗るのは、
やはり危険であると思うし、また、
そうまでして、オートバイに
乗ることもあるまい
と思うのである。



ということで、今回の記事のまとめであるが
個人差はあるものの、白内障になってから
オートバイに乗るのは危険である。
それだけ。


じつは、現在の私は、クルマの運転についても、
なるべく、ひかえるようにしている。そんな状態で、
「続・国道な日々」というブログが書き続けられる
のかどうか。

ま、それはともかく、運転操作になるべく影響が
少なくなるように、いろいろと工夫はしている。
私の場合は、瞳孔が大きく開いている状態だと、
多少、像がはっきりする。だから、昼間は濃いめの
サングラスをかけて走っている。

サングラスの色は、アンバー系がいいようだ。
まぶしさが少なくなるね。ダイソーで、いろいろな色の
サングラスを10コくらい買ってきて、試してみた結果
であるけど。
また、渓流釣りのときに使っていた偏光グラスも
試してみた。ま、これについては、晴れた日で、
太陽光の反射がきつい日は、多少、マシな程度かな。

ま、根本的な解決方法は、賢明な読者の方々の
おっしゃるとおり、手術しかない。それはわかっている
のだけど、手術のイラストを見ているだけで、
タマがヒュンとなる。www

ま、とにかく、少し考え中なのである。



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