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大糸線に乗ってきた [旅情報]

JR大糸線(おおいとせん)に乗ってきた。

ひさしぶりに乗り鉄にでかけた。
前の記事で述べたように、現在の私は、白内障の
進行により、オートバイから降り、また、クルマにも
乗ることをひかえている。

ま、あまり悲観的になっても仕方がない。
こういう旅人にとって、鉄道は強い味方である。
なんせ、自分はなにもしなくても進むんだから。
ちょうど青春18きっぷのシーズンでもあるし、
ちょいと乗ってくるか、という感じで、
でかけることにした。

で、どこに行くか。

tetsudo.com(鉄道.com)というサイトがある。
このなかで、好きなローカル線(西日本編)という
テーマで投票が行われているが、現在、トップで
あるのが大糸線である。

大糸線とは、信濃町(しなのおおまち)と魚川(いといがわ)
を結ぶ路線であり、姫川(ひめかわ)に沿って走る風景の
美しさには定評がある。
そういえば、南小谷(みなみおたり)~糸魚川間の
非電化区間には、ずいぶんと長いこと、乗っていない。
ひさしぶりに姫川の激流でも、見にいくか。


2016年4月1日 15時6分、私は糸魚川駅にいた。
南がわには、ま新しい北陸新幹線糸魚川駅が
どーんという感じで建っている。
かつての古くさい駅舎とか、これまた古くさい
気動車がたむろしていた赤レンガの車庫とか、
そういうのは、すべてなくなっていた。
ちょっとさびしいけど、糸魚川の人たちにとっては、
新幹線ができて、よかったにちがいない。

すでに15時16分発の南小谷行きの列車が
4番線に入線しており、ブルルルルルという感じの
アイドリング音をあげていた。
関西の方にはおなじみの、キハ120形気動車である。
やすっぽい感じがするので、私としては、
あまり好きな車両ではないのだが、
まあ、仕方がない。
列車は定刻に出発した。

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キハ120形気動車(300番台)


私たちの世代にとっては、糸魚川というと、
糸魚川~富士川間の「フォッサマグナ」を
思い出す。その線を境に日本列島は大きく
曲がっている、とされていたのだが、
最近では、そのようには教わらないらしい。
しかしながら、険しい地形であることは
まぎれもなく、姫川がきざんだ深い谷を
列車はよじ登っていく。
この列車の終点の南小谷は標高510メートル。
たった35kmで、それだけのぼるのである。

頸城大野(くびきおおの)を過ぎると、
いよいよ山のなかに入っていく。
自動車ほどもある、大きな岩が河原に
ごろんごろん、という感じでころがっている。
この岩は、どこから来たのだろうか。
おそらく、上流から流されてきたのだろう。
大雨が降って、水だけでなく泥がまじると、
大きな岩でも、簡単に流されるらしいのだ。
小滝(こたき)をすぎると、列車は鉄橋をわたった。

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運転席からみた姫川とトンネル


列車は時速20kmくらいで走る。
制限速度が、それくらいに設定されているのだ。
おそらく、保線の手間をはぶくためだろう。
「がんばれ大糸線」という看板が出ている。
それもそのはずで、大糸線はいつ廃線になっても、
おかしくない状況なのである。
台風、地震など、なにかあるたびに不通になるし、
強い風が吹くと、よく列車が止まる。
さらには、保線の関係で突然運休したりする。
鉄道ファンとしては、いまのうちに乗って
おいた方がいい路線の上位にくるのである。

北小谷(きたおたり)という、なにもない駅に着いた。
旅人がひとり、降りていった。
駅の近くに、なにかあるのだろうか。
さらに20分ほど走って、終点の南小谷に着いた。
糸魚川からの所要時間は、約1時間。
並走する国道148号線も、かなりの悪路であり、
糸魚川までは50分くらいかかるから、
まあ、健闘しているほうであろう。

南小谷へは、新宿から「あずさ」が1往復だけ
乗り入れてくる。だから、東京に住む人にとっても
聞いたことがある駅名であろう。
乗客のほとんどは、途中の信濃大町や
白馬(はくば)で降りてしまうけど。

現在は定期列車はないけれど、ときどき、
名古屋からの「しなの」も乗り入れてくる。
人がほとんど住んでいないわりには、
大都市からの特急がとまるという、
めぐまれた村である。



ということで、今回の記事のまとめであるが
大糸線の南小谷~糸魚川間は、非常に景色がいい。
いつ廃線になってもおかしくない路線だから
いまのうちに乗っておくといいだろう。


南小谷からは、ひきつづき松本まで大糸線。
松本からは篠ノ井線、中央線経由で立川まで帰った。
行きの八高線、上越線、信越線、えちごトキめき鉄道
とあわせて約670km、普通列車のみの旅であった。

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