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札幌~青森自転車ツーリング その4 [日本海岸自転車の旅]

札幌から青森まで、自転車で走った。そのつづき。

5日め  松前町~青森市  約88km

翌朝は、午前5時ごろに起きた。
昨晩は、若い人たちが、夜遅くまで大騒ぎで酒盛り
をやっていたので、気になって寝つけなかった。
朝起きたときには、もう、若い人たちはいなかった。
トラブルにならなくて、すこし、ほっとした。
彼らはクルマで来ていたから、飲酒運転で帰ったのだろう。
人身事故でも起こさなければいいけど。

午前6時に出発。国道228号線を東にむかう。
昨夜の若い人たちは、かなりムチャだった。
けれども、私だって若いときは、けっこうムチャなことをした。
あのころは、毎日、毎日がおもしろく、楽しかったな。

現在の私は年齢をとって、ムチャなことはしなくなった。
私だけではない。同年代の友人の多くは、もう、昔みたいに
バカなことはしない。それだけでなく、社会全体がミョーに
おとなしくなったような気がするな。

松前に着く。北海道で最も歴史のあるところで、
小さな城もあり、おもしろいところである。けれども私は
道の駅北前船松前で、トイレを使っただけで出発した。
午前7時20分、北海道最南端の白神岬(しらかみみさき)を通過。

吉岡というところには青函トンネルのメモリアルパーク
がある。入ってみたかったが、まだ、はやすぎるので、
開いていなかった。
福島の道の駅をすぎると登りになる。海抜180メートルの
ところにある福島トンネルがサミットであった。

知内(しりうち)の道の駅で休憩する。
ここには、2014年3月まで、津軽海峡線の知内駅があった。
が、現在では跨線橋、プラットフォームなど、すべてが撤去され、
北海道新幹線の信号場としての工事がすすめられている。

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道の駅知内にて


木古内駅には、午前11時に着いた。
北海道新幹線の木古内駅開業にむけて工事が
すすめられていて、駅前広場には入れなかった。

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木古内駅にて


さてと。
自転車を分解して、輪行袋に入れる。
11時ちょうど発のスーパー白鳥20号には、タッチの差で
乗り遅れてしまった。11時59分発の白鳥22号に乗ること
にして、蟹田までの乗車券のみを買った。2030円であった。

白鳥22号は、5分ほど遅れてやってきた。
自由席に乗り込む。すぐに車掌さんが検札に来たので、
私は乗車券のみをわたす。車掌さんは、
「蟹田までのご利用ですね。」
と確認して、検札印を押す。

じつは、木古内から蟹田までは、乗車券のみで特急の
自由席に乗ることができるのである。快速「海峡」が
なくなった現在、津軽海峡線の木古内~蟹田間には、
普通列車が走っていない。そのため、特例として、
乗車券のみで特急列車の自由席に乗れる。同じような
特例区間には、石勝線の新夕張~新得がある。


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木古内~蟹田乗車券

午後1時5分、蟹田に着いた。
前の記事で書いたとおり、この駅で降りた瞬間、
私は自転車による日本縦断を達成した。
宗谷岬~佐多岬間、約3,450km(=陸路のみ、
航路および鉄道は含まず)の旅であった。

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蟹田駅にて


ひさしぶりに感じる充実感であった。
正直いって、こんなにうれしいとは意外であった。
自転車での日本縦断なんか、大したことではない。
誰にでもできることである。
私の場合は、3日から5日くらいずつ、コマ切れで走ったから、
到着点から帰るのと、出発点まで行くのに時間がかかり、
のべ45日もかかってしまった。けれど、すべてを捨てて
集中すれば、30日くらいで達成することが可能である。

自転車で日本縦断したくらいで、こんなにうれしいのは、
やはり、年齢をかさねて、体力が衰えているからだと思う。
若い頃の3000メートルを9分台で走った体力をもってすれば、
自転車での日本縦断なんて、べつにどうってことはない。
できて当然だから、達成してもたいしてうれしくは
なかっただろう。59才の私の体力で達成したからこそ、
うれしいのだと思う。

現在の私は、若いころにくらべて体力も落ちたし、また、
人生において残された時間も少ない。だから大きな目標をたてても、
それを実現することはできない。けれども、小さな目標であっても、
すこしずつ実現していけば、それでいいのではないか。
そうでないと、残りの人生は死を待つだけになってしまう。

疲れてはいるが、青森までの約28キロを走ることにする。
蟹田で途切れたままだと、次回の旅を始めるのに
苦労するからである。青森で終われば、次回は新幹線で
青森に来て、すぐに旅を始めることができる。
青森には、午後3時ごろ着いた。北海道の日本海がわという、
人口の少ない地域を走ってきた目には、大都会に見えた。

おなかがすいた。なにか、まともなものを食べたい。
自転車旅行中の私は、食あたりを防ぐため、
カロリーメイトとか菓子パンといった乾いたものしか
食べない。晩ご飯だけは、お米のご飯を食べたいので
コンビニの弁当を食べるけど、飲食店に入って食事をする
ことはしない。生の魚介類などは、絶対に食べない。

そんな生活を5日も続けていると、なんでもいいから
まともな食事をしたくなる。それなりのレストランをさがして、
しばらく走っていたが、結局、大衆食堂チェーンの半田屋
に入って、丼のご飯とおかずを3品ほど取って食べた。

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半田屋での食事



ということで、今回の記事のまとめであるが、
札幌から木古内にかけての日本海沿いは、
険しい地形と長大トンネルが多いものの、
景色がいいところが多い。体力が落ちた50代後半でも、
十分に走ることは可能である。北海道をサイクリング
してみたいと思われる方は、ぜひともコースに加える
といいだろう。


私のつぎの目標は、日本一周である。
これだって、大した目標ではない。
若い人なら、90日から100日程度で達成可能である。
まあ、私に残された時間で達成できるかどうかはわからない
けれど、とりあえず、走り続けようと思う。



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