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OVF(光学式ファインダー)or EVF(電子式ファインダー) [ムダ知識]

私はOVF(Optical View Finder=光学式ファインダー)
のファンなのだが。


前回の記事については、いくつか、ご意見をいただいた。
とりわけ多かったのが、
「風景を撮るのであれば、
OVFなんか、必要ないんじゃ?」

というものであった。

たしかに、動かない風景を撮るのであれば、OVFは必要ない。
ミラーレス+EVF(電子式ファインダー)で十分である。
ていうか、一眼レフそのものが必要ないよね。wwwwwww
私自身、そのような考え方から、フィルムの中判カメラ
については、距離計連動式のフジカGL690を使っていた。
動かない風景専用のカメラだった。

けれども、風景が動かないものと決めつけることはできない。
例えば、朝の光が差し込むなか、水鳥が飛び立つ瞬間、
みたいな風景を撮りたいこともあるだろう。
そういう場合、OVFの一眼レフは、ヒジョーに便利なものである。

また、私の場合、たしかに風景の撮影が多いけれど、
風景だけを撮っているわけではない。
人も撮るし、花も撮るし、鳥も撮る。
いまだに、鉄道を撮ることもあるし。wwwww
そういった意味では、いろいろな撮影シーンに対応できる
カメラでないと困るのである。

動かない風景だけを撮るのであれば、
富士写真フイルムのミラーレス機、X-Pro1が
いちばんいいだろうね。
画質もレンズも、申し分ないし。
けれども、X-Pro1だと対応できない撮影シーンがあることは、
最初からわかっているわけだし、私の場合、
それを切り捨てることは出来ないのである。


それに...。
風景写真を撮るのって、ずっとシャッターチャンスを
待つわけだから、基本的にヒマなんだよね。
そういうとき、望遠レンズとOVFで、これから撮ろうと
している被写体を見るのって、いいヒマつぶしになる。
「あそこに光がさしこんだ瞬間、
シャッターを切ろう!」

みたいな想像をしながら、OVFで被写体を見て、
シャッターチャンスを待つのは、とても楽しいものである。

ミラーレス+EVFだと、そのあたりの楽しみがなくなる。
カメラとは別に、双眼鏡を持っていかなくては
いけなくなるね。wwwwww


OVFのEシリーズから撤退する
オリンパスにも言い分はある。


オリンパスは、ミラーレス機の新しい可能性として、
EVFにより、これから撮る画像を直接見ることができる、
ということを主張している。すなわち、ホワイトバランスとか、
露出などを調整して、パソコンで表示される画像を
直接、眼で確認しながら撮影できるというもの。

「ああ、すっかり顕微鏡とか内視鏡
の会社になってしまったんだなあ。」

と思う。 一般的なユーザーは誰も、カメラにそんなこと、期待してないって。

露出については、オートブラケットにより、1段ずつ、
3枚撮ればいいじゃないっすか。ホワイトバランスなんか、
撮るときには、誰も気にしてないって。
どうしてもホワイトバランスを調整したいなら、
あとでRAW現像ソフトか、画像処理ソフトで調整すればいい。
そんなことよりも、写真を撮る者にとっては、
一瞬のシャッターチャンスを逃さない
ことの方が、よほど大事だよね。
そういう考え方をする者にとっては、いまだにOVFは
捨てることができないシステムなのである。

ニコンは、望遠鏡の会社から、50年くらいかかって、
やっと、カメラの会社になったんだけど、
オリンパスは、顕微鏡の会社から、とうとう、
脱皮できなかったのかもしれないな。


前の記事に書いたように、オリンパスはマクロ関係の
ユーザーが伝統的に多いんだけど、それはOMシリーズにおいて
「TTLダイレクト測光」という方式を開発したことによる。
これは、要するにフィルム膜面に写った像の明るさを
直接、測定する方式なんだけど、これにより、ストロボの
自動調光が可能になった。

接写をやる者にとっては、いちいち、ガイドナンバー
を距離で割る、みたいなこと、やってられないから。
TTLダイレクト測光だと、なんでもいいから、シャッターを
切りさえすれば、写真が撮れるわけで、これにより、
昆虫なんかを撮る人にとっては、一瞬のシャッターチャンス
を逃がすことがなくなったのである。

最近のオリンパスは、自分がなぜ成功したのか、を
見失っているように思う。

まあ、オリンパスとしては、あくまでもミラーレス+EVF
の可能性を追求するということであり、それはそれで、
カメラメーカーとしての、りっぱな戦略である。
われわれユーザーがとやかく言うべきことではない。
けれども、それにより、対応できない撮影シーンがある
ことは明らかであるし、現状のOVFで簡単にクリアできている
ことを、わざわざEVFで実現しようとするのは、バカげている。

要するに、オリンパスは科学写真撮影用機材の専業メーカー
になろうとしているのであり、それはそれで、顕微鏡、内視鏡
の事業とのシナジー効果があるから、結構なことである。
われわれユーザーは、現在のオリンパスをとりまく経営環境とか
事情は理解すべきだよね。
そのうえで、オリンパスと心中するのか、あるいは、他社に
乗り換えるのかの選択をすべきであろう。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
写真を撮る者にとって、まだまだOVFは捨てることができない。
これから撮る像を、直接、自分の目で見てチェックすることは
きわめて大事なプロセスであり、一瞬のシャッターチャンスを
逃さないうえで、重要である。
また、私のような古いカメラユーザーにとっては、
写真を撮る楽しみそのもの、である。



ちなみに、ニコン、オリンパスはカメラ以外の光学機器から
カメラに参入したメーカーだけど、キヤノン、ペンタックスは、
最初から、カメラメーカーである。
彼らは、よくわかっているよね。

ペンタックスなんか、いまだにペンタプリズムにこだわっているもんな。
6×7センチ判の弁当箱みたいな暗箱にペンタプリズムを
付けたカメラを出したときは、思わず笑ってしまったけど、
ペンタックス6×7は、その後もずっと、特定のマーケットで
人気を保ちつづけた。
カメラメーカーは写真を撮るための道具をつくる。
それに対して、望遠鏡、顕微鏡のような光学機器メーカーは、
観察、記録のための道具をつくる。
そういった会社のDNAみたいなものは、結局、最後まで
残り続けるのかもしれないね。



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