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あくねツーリングSTAYtionに泊まった [旅情報]

肥薩おれんじ鉄道の阿久根(あくね)駅前にある
「あくねツーリングSTAYtion」に泊まった。


akune.jpg
あくねツーリングSTAYtion
 Webページ http://akunets.web.fc2.com/


2013年11月17日午後3時ごろ、私は肥薩おれんじ鉄道の
阿久根駅前にいた。今日は、ここにある
「あくねツーリングSTAYtion」に泊まろうと思う。
あくねツーリングSTAYtionは、ブルートレインの廃止により
廃車となった寝台車を、ライダーハウスとして再利用したものである。
2009年より、地元のNPO法人によって運営されている。


寝台車のところに自転車を置き、私は駅前の事務室とおぼしき
建物に入っていって、「ごめんください。」と声をかけた。
...返事がない。
ていうか、誰も出てこない。今度はやや大きい声で、
「ごめんください!」
と叫んだ。が、やはり返事がない。

すると、カワサキの大型バイクに乗った女性があらわれ、
「あの...ここに泊まられるのですか?」
と私に聞く。「はい。」と答えると、
「階段を上がって、ドアを開けたところにある事務室が
受付になっているんですよ。」
と教えてくれた。

そうなのか。

女性ライダーにお礼を言って、階段をのぼり、
ドアをあけると、「北さつま情報ステーション」と書いた
べつの建物があった。なるほど、これじゃあ、聞こえるわけがない。
その建物に入っていって、中にいた人に泊まりたい旨を伝える。
住所、名前、職業などのフォームに記入し、
1泊ぶんの料金1500円を支払い、ようやく取引が成立した。

やれやれ。
正直いって、わかりづらい。
せめて、受付の位置を車両の入口にでも書いておいてもらえると、
助かるのだが。


寝台車の部屋に案内され、いろいろと説明をうける。
車両は24系客車である。
といっても、鉄でない一般の方にとっては、なんのことか、
わからないだろうけど、大阪~鹿児島間を走っていたブルートレイン
「なは」に使われていた車両である。
現在、ライダーハウスとして使われているのは、
B寝台2人用個室「デュエット」であり、車内は現役時代そのまま。

私自身は、鉄道ファンではあるものの、寝台車などという
贅沢なものには、あまり乗ったことがない。
さらにいうと、基本的には、いつもひとりで旅をしているから、
2人用個室のデュエットには、まったく縁がなかったな。

デュエットは居住性がよく、室内で立ち上がって着替えることが
できるし、70センチの幅のベッドは、十分な広さである。
個室だからプライバシーも守られており、
ライダーハウスとしては、非常に快適である。

「それじゃ、ごゆっくり。」と言われ、ひとりになると、
私は汗だらけの衣服を着替え、お風呂に行くことにした。
あくねツーリングSTAYtionには、お風呂はない。
けれど、阿久根の町には温泉がわいている。
さきほどの北さつま情報ステーションの人にたずねると、
1kmくらいのところにある、「ぼんたん湯」を教えてくれた。
ぶらぶらと歩いていく。

街の商店街の多くはシャッターが閉まっているが、
名画のパロティである絵が描いてあり、楽しい。
とりわけ、裸のマハと着衣のマハには、笑ってしまった。
帰ってから調べてみると、いろいろと問題があるみたいだけど。

ぼんたん湯に着き、入浴料350円を支払う。
安い。
しかも、源泉かけながしの天然温泉である。
入っているのは、ほとんどが地元の人で、
しかも、いっぱいだった。
そりゃそうだろう。
350円で、こんなにいい温泉に入れるのだから、
家の風呂なんか、誰も入らないのではないか。
私はたっぷり1時間くらい、汗を流した。

ぼんたん湯から上がって、また、ぶらぶらと歩いて帰る。
焼鳥と赤ちょうちんが目にまぶしい。
けど、自転車旅行中なので、がまんして阿久根駅に戻り、
駅ちかくのお弁当屋さんで、のりタルタル弁当とお茶を買って、
食べて寝た。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
あくねツーリングSTAYtionは、1泊1500円と安価であるが、
個室だからプライバシーは確保されているし、居住性もいい。
静かで清潔だし、ライダーおよびチャリダーにはおすすめである。


その夜、私はどうもよく眠れなかった。
鉄道ファンにとって、寝台車は走っているときは快適なのだが、
止まっていると、どうにもさびしくなる。
もう、ブルートレインは残り少なくなってしまった。
わずかに生き残ったひとつである「あけぼの」も、
来年3月のダイヤ改正で、姿を消す。
私は、すべてのブルートレインがなくなるまえに、
もういちどだけ、乗ってみたいな、と思った。



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