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自転車で犬越路を越えてみた [その他自転車の旅]

犬越路 (いぬごえじ)トンネルというのがあるのだが。

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犬越路トンネルにて

●走行データ
  使用した自転車   ロードスポーツ
  チェーンリング    44T-32T (2段)
  カセットスプロケット 11-32T (8段)



丹沢の山のなかに、犬越路峠というところがある。
丹沢湖から道志川(どうしがわ)の谷にぬける道であり、
檜洞丸(ひのきぼらまる)と大室山のあいだの
標高1,060メートルの部分を越えている。

犬越路の名は、戦国時代に武田信玄が小田原の城主
である北条氏康(ほうじょう うじやす)を攻める際に、
犬を先導させて峠を越えたという伝説に由来する。
まあ、とにかく山深いところである。

私自身はGB250に乗っていたころ、丹沢から道志にむけて
走ったことがある。丹沢がわは犬越路林道、
道志がわは神之川林道(かんのがわりんどう)という。
これら2つの林道をつなぐのが、標高950メートルのところにある
犬越路トンネル(全長約800m)である。
その後、神之川林道の崩壊が激しくなったため、
通年にわたり、クルマもオートバイも通行禁止となった。
けれども、自転車と歩行者は通行することができるようだ。


2013年6月1日午前9時30分。私はJR中央線の相模湖駅で
自転車を組み立てていた。今回は、道志がわから
神之川林道、犬越路トンネル、犬越路林道を通り、
JR御殿場線の谷峨(やが)駅まで走るつもりである。
距離は約60kmと短いものの、標高差は約780メートルもある。
しかも悪路であり、かなりの苦戦が予想される。
自転車の組み立てが終了。午前10時ごろ出発した。

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相模湖駅にて

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今回走行したルート

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プロフィールマップ


最初の登り坂でバテた。(笑)
国道412号線は、中央道の相模湖インターチェンジから
神奈川県南部方面への抜け道となっており、
結構、クルマが多い。
そして、そのクルマがあおってくるものだから、
ダンシングで一気に坂をかけ上がった。
そしたら、ヒザの上の筋肉がつってしまった。
チロルチョコを2コ食べて、痛みがひくのを待つ。

5分ほど休憩したらなおったので、ふたたび走り始める。
青山の交差点を右折。国道413号線に入る。
国道413号線は、自転車乗りが多い。
道志川沿いに山伏峠(標高約1100メートル)を越えて
山中湖に行くというのが、サイクリングコースになっているのだ。
結構、標高差があるので、ロードスポーツ乗りの上級者向け
のコースである。

途中のコンビニで休憩したとき、ロードスポーツ乗りを
何人か見かけた。が、彼らは気むずかしい人が多いので、
見知らぬ人同士だと、ほとんど会話をしない。
初めて会った同士でもバカ話をしながら笑っているのは、
ほとんどがオートバイ乗りであった。
青根の交差点で左折。さらに、井上商店という店のある
交差点を左折し、神奈川県道76号線に入る。

ここから先、神之川ヒュッテまでは、私がよく来るところだ。
いいキャンプ場もあるし、きれいな川もある。
立川から1時間ちょっとで来れるところとしては、
考えられないくらいの環境であり、私の子どもたちが
小さかった頃は、よく連れて来たものである。
その先の神之川林道には、ゲートがあって、
通年、車両通行止めになっている。
今日はここを越えていく。

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通行止めのゲート

「車両通行止め」ということは、自転車(軽車両)も含む。
だから、本当は入ってはいけないのだろう。
が、ゲートのところにすき間があり、歩行者と自転車は
入ることができる。
自己責任でどうぞ、ということだろう。

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ゲートの横のすき間  ※オートバイは通行不可能


ちなみに、丹沢の林道は現在、ほとんどがこういったかたちだ。
かつて、私がよく行った玄倉林道(くろくらりんどう)も
通年通行止めになっている。環境保護うんぬんよりも、
マナーの悪い四輪駆動車が路面を荒らすので
締めだしたもようである。

午後1時ごろ、登り始める。
すぐに未舗装路面になった。
しかも、石がとがっているガレ道である。
25Cのツーリングタイヤをはいてきたけど、
これでは、すぐにパンクしてしまうだろう。
あきらめて、降りて押すことにする。

結局、道志がわの神之川林道(全長約8km)は、
ふもとのゲートから1kmくらいと、頂上近くの1kmくらい
を除いて、大半が未舗装のガレ道であった。
私は約6kmを押して上がったことになる。
勾配そのものは大したことはなく、
いちばん急なところでも10%くらいであった。
パンクに強いタイヤさえはいていれば、
前32T、後28Tくらいで、十分登れると思う。
小径車の場合は、クランク1回転あたり2メートルを目安に、
ギア比を設定すればよいと思われる。

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神之川林道の路面


犬越路トンネルまで行く途中、2台の自転車とすれ違った。
それと、いま流行のトレイルランニングというのだろうか。
走って降りてくる人を、4人ほど見かけた。
いずれにしても、自転車、歩行者は、意外なくらい多かった。

頂上の犬越路トンネルには、午後3時ごろ着いた。
ここに来たのは、およそ22年ぶりだ。
トンネルは、それなりの年月が経過して古くなって
いたけれど、全体的には、ほとんど変わっていなかった。
ライトを点け、真っ暗な犬越路トンネルをぬける。

丹沢がわには、犬越路林道完成の碑がある。
が、崩落でほとんど埋まっていた。
ここに限らず、丹沢は地質がもろく、崩れやすいところである。
南の海からやってきた伊豆半島が本州にぶつかって、
ぐちゃぐちゃになって盛り上がったところだから、
断層が多いのだろう。
そのあたりは、地質学の専門家であるmicyuさん
詳しいので、こんど会ったときにでも、レクチャー
を受けてみようと思う。

monument1.jpg
落石に埋もれた犬越路林道開通記念碑

丹沢がわには、小さいけれど、広場のようなところがあり、
テントを持ってくれば、静かに眠れそうだ。
まあ、このあたり、クマがよく出るし、
犬越路トンネルは心霊スポットとして有名だから、
度胸のある人限定かもしれないけど。

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犬越路トンネル丹沢がわ出口のちょっとした広場

午後3時35分、犬越路トンネルを後にした。
犬越路林道は全線舗装されていて、
標高差約350メートルを、一気にくだる。
途中、ブレーキの熱でアルミのリムが熱くなり、
ブレーキの効きが悪くなってしまった。
標高700メートル近くで5分ほど休憩。
リムを冷ましてから、さらに下る。

下りきったところは、超高級なキャンプ場になっている。
私は何度か、ここまでオートバイで来たことはあるが、
当然のことながら、このキャンプ場を利用したことはない。
キャンプツーリングにおいて、私が使う平均金額は
1日2K円以下である。(笑)
そもそも、私がなぜキャンプをするのかというと、
宿泊費を削減したいからに他ならないわけで。
そういった意味では、キャンプ場も1泊1k円以下
のところしか、利用したことはないね。


午後4時20分ごろ、JR御殿場線の谷峨駅に着いた。
犬越路トンネルから谷峨駅までの21.2㎞を、
約45分で降りてきた。 (途中の5分休憩を含む)
下り最速伝説になるかもしれないな。(笑)

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谷峨駅にて



ということで今回の記事のまとめであるが、
犬越路トンネルおよび犬越路林道、神之川林道は、
自転車および歩行者ならば通行可能である。
興味がある方は、チャレンジされてみてはいかがであろうか。
その際は、クランク1回転あたり2メートルくらいのギアを装備するとともに、
タイヤはガレ道に強いブロックタイヤをはいておくといいだろう。


おまけ
道志がわの神奈川県道76号線沿いにあるエビラ沢の滝は、
とても水がきれいで、夏は快適な水遊びができる。
すぐ近くに、きれいな湧き水もあるし。
私にとっては、とっておきの穴場であり、
いままで、誰にも教えたことはなかった。
けど、私の子どもたちも大きくなって、
もう、来ることもないだろう。
だから、特別に教えちゃおう。(笑)

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エビラ沢の滝  ※付近の草むらにはヒルがいるから注意!



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