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倒したオートバイの起こし方 [オートバイの話]

11月28日の記事を読まれた読者の方から、
「倒したバイクも起こせないような技量でしたら、
大型車なんかに乗らないでください。
他車に迷惑がかかりますから。」
というご意見をいただいてしまった。


ご意見をくださったのは、オートバイのインストラクターを
されておられるという方である。
けれど、私はべつに、起こせないとは書いていない。
「オートバイを起こせなくなった時が、オートバイから
降りるとき」と書いたのである。
オートバイの運転は上手かもしれないけれど、
もう少し、文章の読解力を身につけていただければ、と思う。
文章を読んで、150字以内で内容を要約する訓練
をすると効果的だから。 (高校受験、大学受験を
経験された人なら必ずやっていることだけど。www)

ま、誤解を招くのも仕方がない。
このブログではなんども書いているが、
私はオートバイの運転がどヘタだから。(笑)

ということで、私はなるべく転倒しないように、
注意して乗っている。けれど、もし、オートバイを
倒してしまったら、どうするか。
なにがなんでも、自分ひとりで起こさないといけない。
でないと、他車に迷惑をかけてしまうからね。
ひとりでオートバイを起こせないようなら、乗るべきではない、
というご指摘は、たしかにそのとおりであると思う。

そこで今回は、倒してしまったオートバイを、
いかにして起こすか
について、いくつかの方法を
紹介しようと思う。


まず、教習所で習う方法、ハンドルとハンガーを
持って引き起こす
というのは、基本中の基本
であるから、まずは、この方法を思い出していただきたい。
車体重量が200kgまでなら、この方法だけ覚えておけば十分である。
けれども、200kgを超える重量の車体を倒してしまうと、
この方法だけではきつい。非力な方、年配の方だと、まずムリだね。

ちなみに、私自身の体格は身長178センチ、体重85kg。
男性としても、まあまあ大きい方である。
いちおう、自転車乗りのはしくれだから、背筋力は100kgを超える。
それでも、235kgのCB750をごろんと倒してしまうと、
ハンドルとハンガーを持って引き起こす方法だと、ちょっときつい。
平坦なところなら平気なんだけど、坂道だと力が入りにくいからね。
そこで、以下に、私なりのオートバイを起こす方法を紹介する。

私のオートバイの起こし方
 ①ハンドルを倒した方に、いっぱいにきる。
 ②ギアをローに入れ、タイヤが動かないようにする
 ③下がわのハンドルグリップをヒジを伸ばした状態で、
  両手で持つ。
 ④ヒザの屈伸を使って持ち上げる。
 ⑤タンクと腰を密着させ、徐々に車体を起こしていく。



※動画を撮ろうかと思ったけど、車体にキズがつくからやめた(笑)


この方法なら、コツさえ覚えれば、非力な方、あるいは
年配の方でも、オートバイをラクに起こすことが可能である。

ポイントは、③である。
必ず、ヒジを伸ばした状態で持つこと。
ヒジを曲げた状態だと、オートバイは、まず上がらない。

理由は簡単で、腕の筋肉だけで200kgを超えるオートバイを
持ち上げられる人なんて、男性でも、そうはいないから。
やろうとしたら、コンセントレーション・カールで30kgくらい
上げられるくらいの腕力が必要である。
私くらいの体格でも、そんなのムリムリ。(笑)

また、④も重要である。
必ず、すわった姿勢から脚の力で上げる
背筋力だけで上げようとすると、腰を痛めることがあるからね。
大腿筋を使えば、女性でも80kgくらい、ラクに上げられる。
あとは、タンクと腰を密着させて、じわじわと立てていくこと。
あるところから急にラクになり、簡単に立てることができるから。


さらにいうと、注意が必要なのは、
地面が乾燥した舗装路であり、
靴とのあいだに十分な摩擦力がある

ことである。ここは重要。
濡れた路面、砂利道など、足もとがすべる場合は、
非常に危険だから。足がすべって、オートバイの車体が
自分のからだに乗っかってしまうと大怪我をするから。

ちなみに、オートバイに乗るときは、裏がつるつるの
滑りやすい靴をはく。オートバイ用品店で、ちゃんとした
メーカーのライディング用ブーツを見てもらえばわかる
と思うけど、例外なく、裏がのっぺりしていて、滑りやすい
ようにできている。でないと、転倒したときに、うまく路面を
すべっていかず、からだがごろごろと転がってしまって、
大怪我をするからね。
これは自転車用シューズでも、まったく同じ。
SIDIとかシマノなど、ちゃんとしたメーカーのシューズなら、
ソールはつるつるである。 (除くオフロード、BMX用シューズ)

滑りにくい底のトレッキングシューズなどで、
オートバイや自転車に乗ってはいけない。
そんなの、オートバイ乗り、自転車乗りにとっては
あたりまえのことである。
ま、それはともかく、ちゃんとしたライディング用の靴を
はいているならば、悪い路面状態でオートバイを起こすときには、
細心の注意が必要である。


じつは、私がまだCB750に乗り始めた頃なんだけど、
四国の山奥、梼原 (ゆすはら) 近くの国道439号線で、
立ちゴケをしてしまったことがある。
当時の国道439号線は、国道とは名ばかりの悪路であり、
路面にコケが生えていた。(笑)
で、足もとがすべりやすく、非常に危険だった。
もちろん、私はいつも、裏がつるつるのライディング用ブーツ
をはいている。

結局、そのとき、私は燃料タンクをはずして起こした。
足もとがすべる状態で、重いオートバイを起こそうとして、
もし、失敗してしまったら、大怪我をする可能性がある。
そんなことをして、山奥で動けなくなったら終わりである。
だから、少々面倒だけど、タンクをはずして起こした方が
はるかに安全である、と判断したのである。

高い位置にあって、重量のある燃料タンクさえはずせば、
どんなオートバイでも、簡単に起こすことができるから。
CB750など、国産車の燃料タンクは、ボルト1本で
ついているだけ。タンクをはずすのは1分もかからないから。

ということで、オートバイを起こせないときの最終手段として、
燃料タンクをはずして起こす、という方法があることは、
初心者の方も、覚えておいた方がいい。
要するに、私のようにオートバイの運転がどヘタな者
であっても、つねに冷静に判断して、最も無難な方法
を選択するようにしていれば、ケガをすることはない。
大丈夫だから。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
倒れたオートバイを起こすためには、いくつかの方法がある。
基本はハンドルとハンガーを持つ方法であるが、
もう少し、ラクに起こすことができる方法もある。
ご興味があれば、上の解説を読んでいただければ、と思う。


ま、倒れたオートバイを起こすのは、最終的には体力勝負である。
おおざっぱに言って、400~1000CCクラスの中型車に乗るなら80kg以上、
1000CC以上の大型車に乗るなら100kg以上を持ち上げることができる
くらいの筋力を維持する必要があるね。
私はそれができなくなった時点で
オートバイから降りよう
と決めているのである。


追記1
「あなたの文章はとても長くて、何を書いているのか、
さっぱりわからない。自分が書いた文章を150字以内で
まとめてください。」
という要望がきた。

今回の記事
オートバイの引き起こしには、いくつかの方法がある。
基本はハンドルとハンガーを持って引き起こすというもの
だが、この方法だと200kgを超える車体を引き起こすのは、
非力な方、年配の方は無理である。そこで、下側のハンドル
を両手で持って、脚力を使って引き上げるという、
私のやっている方法がおすすめである。(148字)


11月28日の記事
ホンダの125CCスクーターPCXが爆発的に売れているようだ。
燃費がよく、カッコよく、価格も安いことが人気を呼んで
いるものとみられる。道交法の制約がすくない原付2種は、
もっと見直されていいクラスである。軽い車重は、大型車
を引き起こすことが難しくなった中高年にとっても魅力的
である。(146字)



追記2
「こういう方法もありますよ。」
と教えてくださった方がいた。

動画
http://youtu.be/k4MPyX0QCYw?t=36s

へー、背面式ですか???
初めて見ましたけど、この方法なら脚力を有効に使えますよね。
いいかもしれません。


追記3
「追記2の方法だと、左がわに倒してしまった場合、
どうするのでしょうか。」
というご指摘をくださった方がいた。

私も同じことを考えました。
たしかに勢いあまって、向こうがわに倒してしまう危険性はある
と思います。が、角度にして70度くらいまで、この方法で上げて
おいてから、からだをひねって、静かに立てるようにすれば、
大丈夫なのではないかと。
いずれにしても、背面式は脚力をきわめて有効に使えますので、
大型車の引き起こしには効果的かと思われます。



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