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いまさら人には聞けないシリーズ3  オートバイのハンドリング [オートバイの話]

以前の記事を読んでくださった方より、以下のようなご批判を頂戴した。
「キャスター角が直進安定性を決めるのではなく、トレールが直進安定性
を決めるのではないですか?」


よくご存じですね。
(^^;


読者様のご指摘のとおりであり、オートバイなど、二輪車のハンドリングは、
 ①キャスター角
 ②オフセット量
 ③前輪タイヤの大きさ


という3つの要素により決定するトレール長 (trail length)により、だいたい決まる。
キャスター角とトレール長の関係については、以下に詳しい解説があるから、
ご興味がある方はどうぞ。

キャスター/トレール
(ヤマハ発動機Webページ 用語解説)


さて、3つの関係がわかったところで、いろいろな車種のトレール長
を比較してみよう。カタログなどに掲載されていない場合は、
javascriptで計算用フォームをつくってみたので、どうぞ。
なお、このフォームは自転車を組む際、どんなフレームを選ぶか、
検討するのにも利用できるね。(ていうか、そのためにつくった)

主要車種のキャスター角とトレール長 trail.gif



トレール計算用フォーム

 キャスター角  
 タイヤ直径   ミリ (下の早見表を参考に入力してください)
 オフセット量    ミリ  
                       


タイヤの直径早見表

タイヤサイズ タイヤ直径(ミリ)
13インチ 530
14インチ 550
16インチ 580
17インチ  600
18インチ  635
21インチ 710



一般論として、ツアラーやクルーザー(アメリカン)のように、
直進安定性が重視される車種は、トレール長は大きめに設定されている。
それに対して、スーパースポーツなど、直進安定性よりも旋回性がよい
ことが重視される車種は、トレール長は小さめになっている。
(実際には、高速で走るオートバイの場合、操縦性に影響するから、
オフセット量はそんなに大きくとることはできない。だから、キャスター角
により、トレール長はほぼ決まるとみてよい。)

ここまでで、オートバイの直進性安定性は、トレール長によって決まる
ことがわかった。直進安定性は、長距離を疲れずに走る際においては、
非常に重要である。
では、旋回性は、なににより、決定されるのか。

じつは、旋回性にもっとも大きな影響を与えるのが、キャスター角なのである。
キャスター角が小さい (ステアリング軸が立っている) ほど、旋回性はクイックになるし、
キャスター角が大きい (ステアリング軸がねている) ほど、ダルになる。

さらにいうと、タイヤも関係する。
実際には、オートバイがカーブをまわる際には、横方向のスリップが発生するから、
そのスリップ量が小さいタイヤは旋回性が良いと判断されるし、
逆にスリップ量が大きいタイヤは、旋回性がよくないと判断される。
車体を傾けてまわるオートバイの場合は、タイヤの断面形状も、
ひとつの要素である。太くてRが大きいタイヤはダルくなるし、
逆に、細くてRが小さいタイヤは、クイックになる。
ホイールの重さ、タイヤ自体の重さも、わずかながら影響する。


私の場合、あまり多くのオートバイを乗り比べたことはないけど、
CB750のハンドリングは、直進安定性よりも旋回性を重視したものに
なっていることは、明らかである。
だって、教習車だもんな。(笑)

同じホンダのCB400SFのキャスター角は25.5度。トレール長は90ミリ。
CB750よりも、さらに旋回性を重視したものになっている。
ライディングスクールで乗せてもらったときには、あまりにもひらひらと
軽く曲がるので驚いたね。

逆に、ハーレーのハンドルの重さには、まいったね。
私は昭島にあるハーレーの販売店で、試乗させてもらったことがあるけど、
「これは、私にはムリ。乗りこなせない。」
と思った。
もちろん、私は運転がどヘタだから、一生、ハーレーなんか、
乗りこなせないだろう。けど、あの重たくてむずかしいオートバイを
颯爽と走らせることができるオートバイ乗りには、あこがれるね。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
オートバイのハンドリングは、直進安定性については、
トレール長により、だいたい決まる。
旋回性については、キャスター角の占める比率が高く、
また、タイヤの摩擦、断面形状、重さなども影響する。

ベテランのオートバイ乗りの方には、
「なにを当然のことを言っておるのか。」
とか言われそうだけど、この記事は、そういう企画なのである。
だから、あたたかい目で見てほしいのである。
(^^;


ちなみに、自転車の場合はトレール長により、オートバイよりも、
さらに極端に、ハンドリングがかわる。
私の自転車の場合、トレール長は60ミリくらい。
上級者は、だいたい55ミリに設定するから、かなり長めである。
直進安定性重視のセッティングである。
だから、自分で自転車を組むときには、オフセット量の少ないフォークを選ぶ。
オフセット量の大きい上級者用のフォークはダメである。

その理由なんだけど、自転車でツーリングしているときには、
ハンドルから両手をはなすことが、よくあるから。
ケージからボトルを取って飲み口をあけて飲むときとか、
あるいは、ウィンドブレーカーのジッパーを開閉するときとか。
そんなとき、自転車の運転もどヘタな私は、トレール長が短くて、
直進安定性がよくない自転車だと、怖くて両手がはなせないのである。
そういったことが、私がいま流行の小径車(=トレール長が短い)に
怖くて乗ることができない、主な理由なのである。