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黒磯はこんなところだった [ツーリング情報]

黒磯に行ってきた。


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黒磯駅にて

久しぶりに、オートバイで遠出をしようと思って、
金曜日の夜、朝5時に目覚まし時計をセットして、眠りについた。
目覚めたら、午前10時であった。
絵に描いたような寝坊である。

ま、しょうがない。

べつに、誰に迷惑をかけたわけでもないし。
ひとりで走るのは、こういった気楽さがある。
また、そもそも、どこに用事があるわけでもないのであるから、
どうしても、朝5時に出かけなければいけない、ということもないのである。
だから、これでいいのだ。
ゆっくりと朝食を食べ、出かけることにした。

なんとなく、東北自動車道を北に向かう。
来月からは、もう、東北自動車道をオートバイで走るのは、厳しくなるから。
すると、矢板から先が、事故で渋滞していた。

なんで、こんなときに事故なんか、起こすかなー。
(-_-;


黒磯板室インターチェンジに、午後2時に着いた。
これ以上、先に行くと、東京に帰るのがきつくなるので、
ここで降りることにした。


インターチェンジを降りたところに、那須ガーデンアウトレットというのがあった。
いまのいままで知らんかったけど、たくさんのクルマがとまっている。
しかも、大半は関東のナンバーであった。
東京からこんなところまで買い物に来るのか、と思うと、
ちょっと、びっくりである。
まあ、私自身はブランドものには、まったく興味がないから、
スルーしたけど、買い物が好きな人にとっては、
あるいは、魅力的な施設なのかもしれない。

那須ガーデンアウトレット
http://www.nasu-gardenoutlet.com/


紅葉を見に、日塩もみじラインに行ってみようかな、とも思ったのだが、
この時期の国道400号線は、渋滞することで有名である。
何時に着くか、さっぱりわからんから、やめておいた。
ということで、どこに行くあてもなく走り、
なんとなく、黒磯駅に着いた。


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黒磯駅

私はこの駅に、数えきれないくらいの回数、訪れている。
理由は、宇都宮方面からの列車は、すべてこの駅止まりとなり、
ここで、福島方面に行く列車に、乗り換えなければならないからである。
この駅を境にして、直流電化と交流電化が切り替わることによる。
乗り換え時間があまりないのと、黒磯から福島方面に行く列車は
編成が短くて、席が少ない。
だから、みんな、走る、走る。
この“黒磯ダッシュ”は、大垣行きの夜行列車を降りた人たちが、
終点の大垣駅で、姫路行きの普通列車に向かって走る大垣ダッシュとともに、
鉄のあいだでは、有名である。

ということで、私は黒磯駅に数えきれないくらいの回数、来たことがあるのだが、
毎回、黒磯ダッシュに参加してきたので、
いまだかつて、この駅で降りたことはなかった。
そういう人は、すごく多いのではないかと思う。
そこで、今回の記事では、黒磯駅にはよく来るけれど、
まだ、降りたことがない、という方を対象に、
黒磯がどんなところかを紹介したいと思う。


駅の近くにオートバイを停め、まずは黒磯駅に行く。
意外と大きい駅であったことに、まずは驚く。
噂に聞いていた、皇室専用の出入口も健在であった。
黒磯駅は、那須の御用邸の最寄り駅であり、
昭和天皇の頃は、お召し列車 (天皇・皇后・皇太后が利用するために
特別に運行される列車) が、この駅に着いたのである。
だから、皇室専用の出入口と待合室がある。
現在の天皇陛下は、那須の御用邸には、新幹線のグリーン車で来られる。
そして、隣の那須塩原駅で降りられるから、お召し列車が運転されることもなく、
皇室専用の出入口は、現在は使われていないようだ。

駅構内をみると、観光案内所があった。
けれども、いまの観光客はたいがい、那須塩原駅で降りてしまうから、
なんだか、とても、ヒマそうである。
キオスクをのぞいてみた。名物駅弁の九尾ずしは、売っていなかった。
かつては、特急列車も含めて、すべての列車が必ず、この駅で停まった。
理由は、やはり、直流と交流が切り替わることによる。
だから、九尾ずしは、よく売れた。
昭和天皇も好まれたということなのだが。
帰ってから確認すると、九尾ずしは2005年11月に販売を終了したようである。
...知らなかった。
昭和は遠くなりにけり、である。

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観光案内所

駅前に出てみると、このあたりを牛耳る東野交通(とうやこうつう)の
バス乗り場がある。看板に108とかいてあるが、なんのことか、
ちょっと考えてしまった。しばらくして、108=とうやであることに気がついた。
朝5時台から、バスが運行されている。
そんな時間に、バスに乗る人がいるのか、とも思うけど、
まあ、需要があるからこそ、運行されているのだろう。
東野交通の隣は、黒磯駅前交番。
そして、道路を隔てて、これぞ正しい駅前食堂、という感じの食堂があった。

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東野交通のバス乗り場

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黒磯駅前交番

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駅前食堂


商店街を歩くと、まずは、駅にいちばん近いところに、
高木本店という店がある。
有限会社高木商品部という、金文字の看板もかかっているのだが、
いったい、なにを売っている店なのか、わからなかった。

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なにを売っているのかわからない高木本店

その向かいが、明治屋という和菓子店。
行ってみると、温泉まんじゅうを蒸している。
すかさず10個入り、840円をゲット。
帰ってから食べてみると、餡の甘さがひかえめで、
なかなかの良品であった。これは、おすすめである。

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和菓子の明治屋さん

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温泉まんじゅう

なおも、ぶらぶらと歩くと、いかにも、いわくありげな石造りの建物が。
cafe de Grand bois (カフェ・ド・グランボア) という看板がかかっている。
建物の前に行ってみると、「高木会館について」という説明があった。
読んでみると、大正7年に建築された旧黒磯銀行であるという。
国の登録有形文化財に指定されている建物なのだそうだ。
ふーむ。
高木さんというのは、このあたりの名士なのかな。

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登録有形文化財の旧黒磯銀行 (現在はカフェ・ド・グランボア)


そのほか、これもとても古くから続いている感じの酒屋さんがある。
ワインの貯蔵庫があって、いかにも高級そうなワインがならんでいる。
那須の御用邸に納めるのかもしれない。

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古くから続いているらしい酒屋さん



ということで、今回の記事のまとめであるが、
黒磯は、黒磯ダッシュに参加する旅人にとっては、
なかなか降りる機会がない駅だけど、
歴史と誇りを感じさせるいい町だし、おいしいお菓子屋さんもある。
また、有形文化財に指定されている建物の渋いカフェもある。
意外と面白いところであった。
黒磯ダッシュに参加しても、郡山行きなどは2両編成の場合もあり、
なかなか、席はとれない。私なんか、座れたためしがないのである。
だから、黒磯ダッシュに敗れた人は、気分転換に町を散歩してみるのも、
いいかもしれない。


西口と東口をつなぐ、連絡通路をわたってみた。
駅の構内がよく見えるけど、どこまでが直流で、
どこからが交流なのかは、よくわからなかった。
ふつうは、電気が通っていない区間 (デッド・セクション)というものがあり、
走りながら、直流と交流を切り替えるのだが、
この駅の構内は、直流電車と交流電車がいっしょに停まっている。
なんだか、不思議な光景である。
ぼーっとみていると、一段高いところにレールがある東北新幹線を、
下りのつばさが、ものすごい勢いで走り去っていった。

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黒磯駅の構内



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