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第二東名は別料金にすればいい -その2- [ひとりごと]

前回の記事に対しては、いろいろなご意見をいただいた。


なかでも、よくわかっていらっしゃるなあ、と感心したのは、
以下のようなご意見である。

 「42兆円、借金したからといって、
 外国から借りたわけではないですし、
 また、全部、ドブに捨てたわけではなく、
 ちゃんと、高速道路という資産になっているんです。
 だから、takさんが、そんなに心配なさらなくても
 大丈夫なんですよ。(笑)」



貴重なご意見をいただき、どうもありがとうございました。
そこまでわかっておられるなら、話がはやいです。

たしかに、貸借対照表上では、資産=負債+資本です。
要するに、右側と左側 (貸方と借方) は、同じ金額にならないといけません。
集めてきたお金と、使ったお金はいっしょ
にならないと、そりゃ、おかしいですからね。
高速道路を例にとると、42兆円を借金してきたといっても、
それはちゃんと、道路という資産になっています。
おっしゃるとおりですね。


でも、じゃあ、その資産を形成するのに、どうやってお金を集めてきたか。
言い換えれば、貸借対照表の右側になにが書かれているか
というと、そのほとんどが債券という名の有利子負債じゃないですか。
そういった意味では、42兆円も借金したということが心配なのではなく、
返せる見込みがなくなる
ということが心配なのですよ。


じつは、同じことが、日本国が抱えている900兆円もの
累積債務にもいえるのです。誤解されがちですけど、
900兆円にもおよぶ、「国の借金」といわれているのは、
そのほとんどが国債であり、それは言い換えれば、
私たちの資産です。
また、日本の場合は、国債の大部分を日本国民が購入している
わけですし、なおかつ、その国債は、円という自国の通貨建てで
発行しているわけです。

「つまり、日本は、どこにも借金なんかしていません。
なにも、心配することはありませんよ。」

貸借対照表の読み方がわからない人は、みんな、役人たちに、
そう言われて、だまされてしまいます。けれども、財政の健全性を保つためには、
有利子負債は減らさないといけない。
そのことを忘れてはいけないのです。
国債といえども、有利子負債であることには、変わりはないですから。
ほっといたら、雪だるま式に利子が利子を呼んで、最後は破綻してしまいます。


もっといえば、国がちゃんと
国債という有利子負債を返済してくれないと、
困るのは国債を買っている人、
すなわち、他ならぬ日本国民なのです。



ハナシを高速道路にもどすと、現在、高速道路機構が45年以内に
有利子負債を減らしていく計画をたてて、ちゃんと実行しているのに、
第二東名をつくって、いきなり、10兆円も有利子負債を拡大させたうえ、
さらには、高速道路の無料化、みたいなことを言っていると、
結局は、負債が国の一般会計に組み入れられ、国債で補填される
ことになります。そうなると、みんなが困るのです。
べつに、私takだけが困るわけではないんですよ。




ということで、今回の記事のまとめであるが、
有利子負債を計画どおり減少させていくことは、きわめて重要である。
要するに、借りたお金は、ちゃんと返さないとね。
私の記事に対するご意見、ご批判は大歓迎である。

なお、これは私の記事への批判ということではないのだけど、
日本の高速道路とドイツのアウトバーンを比較して、
「アウトバーンは無料なのに快適であった。日本はもっと勉強すべし!」
というご意見もいただいた。
これについては、単純な比較はできない。
というのは、日本で高速道路が開通したからといって、外国人がメリットを
享受するということは、ありえない。だから、日本の高速道路の建設に使った
債券を、外国が購入してくれるということは、ありえないのである。
そのあたりは、ドイツのアウトバーン、フランスのオートルートあたりと、
日本の高速道路は、大きく事情が異なるのである。

どちらかというと、日本の高速道路をとりまく環境は、英国に近い。
(英国も、それほど高速道路網が発達しているわけではない。)

逆にいうと、日本国民だけが建設にかかる費用を負担しなければ
ならないような状況で、高速道路を2万キロ以上もつくってしまう
(しかも、その大半は赤字!) ような国は、日本くらいのものである。



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