SSブログ

CB1100を見てきた [オートバイの話]

市販開始されたCB1100を見てきた。


CB1100 プレスリリース (本田技研工業)



この3連休は、天気が大荒れと予想されたのと、連休後に大事な仕事が
あるので、オートバイに乗ってケガをするわけにはいかず、結局、近くの
ホンダ店に遊びに行っただけであった。で、市販開始されたCB1100を
見てきた。
私がお店に入って、「こんにちは。」と言うやいなや、
顔見知りの店長に言われてしまった。

「ああ、takさん。CB1100の展示車なら、そこにありますよ。」

...なんだか、完全に見透かされているな。(笑)
ということで、あらためて、CB1100の市販車を見てみることにする。

基本的には、東京モーターショーのときの展示車とくらべて、
変更はない。けれど、お店の好意により、実際にスタンドをはずした状態で、
またがらせていただいたのと、一瞬だけど、エンジンをかけさせていただいた。
ということで、今回は、その範囲内でのインプレッションである。(笑)


またがってみると、シート高はずいぶんと低い。これには驚いたな。
カタログを見てみると、シート高は765ミリである。
東京モーターショーのときには、メインスタンドがかかった状態で
またがったけど、今回は、スタンドをはずして、車重がかかった状態だから、
両足のかかとが、ほんとうにぴったりつくね。
私は、身長は178センチあるものの、脚の長さは78センチしかないんだけど。

こらっ、そこ!

いま、短足とか言っただろ。
私の場合、足が短いのではなくて、脚が短いの。
だから、短脚なの。
間違えないようにね。


で、短脚の私であるが、それでも、またがったときに、両足のかかとが
ぴったりとつく。これなら、運転がどヘタな私でも安心である。


また、またがったときの視点から見る感じは、小ぶりなタンクともあいまって、
どう見ても、400ccクラスにしか見えない。
250ccと言われても、「ああ、そうなの。」とか言ってしまいそうである。
ライダーに対する威圧感は、全くないから。
逆に、「でかいオートバイ=えらい」と思っている人にとっては、
若干、拍子抜けするかもしれないな。


で、エンジンをかけてみた。
うん、それなりにでかいモノがまわっているという感じがする。(笑)
この感じは、CB750とは、全然ちがうな。
CB750の場合は、まるで、モーターでもまわっているのかと思うくらい、
音とか振動はないのだけど、CB1100の場合は、低くて図太い排気音
がするし、それなりに振動もある。
これについては、好みがはっきりと分かれるところだろうな。

CB750にくらべると、CB1100は1.5倍も排気量があるわけだし、
もともと集合管というものは、4in1にしても4in2in1にしても、
排気効率はよくないものである。だから、左右2本出しのCB750に
くらべると、それなりにでかい音がするのは当然である。

走っていて注目されるのは、断然、CB1100であろう。
まさに、空冷4気筒サウンド。
しかも、カワサキともヤマハとも違う、ホンダのCBの音である。
だけど、世の中には、
「オレは、べつに注目なんか、されなくてもいいから。
ただ、静かに走りたいだけだから。」
という人も、たくさんいるわけだし、そういう人は、CB750の方がいい、
というかもしれないな。

ま、CB1100は、東京モーターショーにおいても、いろいろなバリエーションが
展示されていた。ホンダとしては、今後、単一のモデルですべてのニーズ
を満たすわけではなく、1つの車種で、いろんなバリエーションを用意するらしい。
現在の他メーカーでいうと、BMWのような展開をするようだから、
今後、4-1-2のツアラータイプのCB1100というものも出るかもしれないな。



cb1100-01.jpg
CB1100 出所:本田技研工業

家に帰ってから、カタログに掲載されているスペックを、詳しく見てみた。
出力は、驚きの88PS
1140ccもの排気量でありながら、この数値は一種のカルチャーショックである。
これほどの衝撃を感じたのは、400ccのゼファーが46PSで発売されたとき以来だな。(笑)

なんでだろ、と思って、カタログを読んで、わかった。
排気ガス規制をクリアするため、マフラーに触媒装置を搭載している
のである。触媒装置は、大きな排気抵抗となって、本来のパワーとトルクを
発揮できない。これだけで、10~20馬力は、かるく損してる。
それと、低速がわのトルクを出すようにセッティングしたことにより、
最高出力が犠牲になっているのであろう。

それと、触媒装置と二次空気供給装置を採用していることにより、
マフラーはかなり熱くなるだろうね。
二次空気供給装置とは、クルマに詳しい方ならご存じだろうけど、
インテークマニホールドの空気の一部を、エキゾーストマニホールドに供給
するというもの。これにより、排気ガスの完全燃焼を促進させるわけ。
触媒およびマフラーは、走行中、かなりの高温になる。
もちろん、そのままだと危険だから、マフラーを二重にするなどの対策を
しているんだろうけど、空冷エンジンからの熱とあわせて、
夏はかなり素敵なことになりそうである。


ツーリングをするための道具として、CB1100を見た場合、気になるのは
燃料タンクの容量だな。
14リットルしか入らないんだもんなあ。
これだと、約200km走るごとに、給油しなければならないことになる。
CB750は、20リットル入るから、私はだいたい、300kmから350km走るごとに
給油しているけど。
まあ、一般道路を走るぶんには、どうということはない。
けど、高速道路だと、給油設備のあるサービスエリアは、
地方に行くと、約100~150kmくらい先にしかない、なんてざらだから、
うっかり給油するのを忘れてしまうと、エロいことになりそうである。
ま、これについては、慣れの問題も大きい。
14リットルくらいでビビっていたら、ハーレーのスポーツスターなんか乗れないけど。

ホイールは、前後18インチ
これについては、知ったかの評論家から、酷評されそうだなあ。(笑)

私自身は、CB750に乗る前、前後18インチのGB250に乗っていた。
で、前後17インチのCB750に乗り換えた瞬間、
あまりにも、ひらひらと曲がるので、驚いたほどである。
はっきり言って、運転のしやすさという点では、
前後18インチのGB250よりも、前後17インチのCB750の方が、
はるかに上である。
もちろん、18インチには、それなりのメリットがある。
それは、安定して走れること。
長距離を走ったときの疲労の低減については、大きな効果がある。
このへんは、トレードオフの関係であり、
どちらがいいとか、悪いとかいうものではない。

CB1100はホイールベースが1490ミリもあるうえ、
前後18インチのホイールであるから、17インチのオートバイに乗って
いた人からは、
「曲がらねー!」
などと、言われることだろう。

前述のように、CB1100はそういう味付けのオートバイなんだけど、
それが、知ったか評論家に理解されるかどうかについては、私にはわからん。

車両重量は243kgとなっている。
CB750よりも、約8kg重い。
ま、CB1300よりは、約18kg軽いけど、決して、初心者向けとはいえない。
倒したら、それなりにしんどい思いをするから、覚悟しておく必要があるな。

価格は95万円。消費税込みで99万7,500円である。
実売では、だいたい90万円前後であろう。
かなり、がんばってくれたな、と思う。
これなら、定期預金を1口、解約するだけでOKだろう。
この不況で、奥様がそれを許してくれるかどうかは、わからんけど。
...健闘を祈る。



ということで、今回の記事のまとめであるが、
CB1100は、CBシリーズの伝統を受け継ぐ空冷4気筒1100ccの
オートバイであり、空冷エンジンならではの造形の美しさが好きな人には
おすすめである。


個人的には、CB1100の最大の魅力は、スッキリと美しく、
端正なデザインのタンクである、と思っている。
私は、べつにオートバイが好きというわけではなく、
旅をするための道具として、たまたま現在、オートバイを選んでいる
にすぎないのだけど、それでも、自分の美意識に合わないオートバイには
乗りたくない。
CB1100のタンクの美しさは、現在、市販されているオートバイのなかでは
出色であり、これだけで、このオートバイを買う価値はあると、
個人的には思っている。



共通テーマ:バイク