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梶取崎夕景 [ツーリング情報]

クジラの町、和歌山県太地町に梶取崎という岬があるのだけど。


kajitori2.jpg
梶取崎夕景

<撮影データ>
2009年4月30日 午後7時15分
オリンパスE-510  ZUIKO DIGITAL ED14-42mm
ISO感度100 露光45秒 F3.5




梶取崎と書いて、「かんどりざき」と読む。難読地名のひとつだろう。
その名は、熊野灘を航行する船が、この岬を目印に舵をとったことに
ちなむという。舵取崎→梶取崎である。場所は以下である。

mapion.gif  梶取崎




本州最南端の潮岬は有名だけど、梶取崎は、ヨットでもやっている人で
なければ、ほとんど誰も知らない。けれども、昔から海上交通の要衝であり、
現在も灯台のほか、自衛隊の施設がある。

梶取崎灯台の周辺は、きれいな公園になっており、下の写真のように、
芝生が広がっている。テントを張るには最高だと思うけど、残念ながら、
キャンプは禁止である。駐車場にオートバイをとめて、200メートルほど
歩くと、瀟洒な灯台がある。

訪れる人は少ない。

私が訪れたときも、大型連休でありながら、誰もいなかった。
南国の雰囲気にみちあふれたなか、南紀独特の紺碧の海を背景に
そびえたつ白亜の灯台。
いい風景である。
誰がとっても、それなりの写真が撮れるカメラポイントであろう。

kajitori1.jpg
梶取崎灯台


梶取崎の沖は、現在でも、大型船舶が頻繁に通る。
大型船舶というと、世界中、どこでも行けるように思われがちだけど、
実際には、外洋を航海できる仕様の船は少なくて、たいがいは、
沿海(海岸から20海里以内)だけを航海できる仕様になっているのだ。

航行区域が沿海に限定される船は、たとえば東京から大阪に行く場合、
志摩半島の大王崎から、まっすぐに、潮岬をめざすことはできない。
20海里以上、離れてしまうからである。
そのような船は、大王崎から、いったん、三木崎、梶取崎をめざし、
そして、潮岬をまわることになる。(下図参照)
このことは、東京から徳島、北九州に行くオーシャン東九フェリーや、
志布志、沖縄に行くマルエーフェリーにでも乗って、
GPSでログを取れば、一発でわかるだろう。
もし、大王崎から直線で潮岬をめざしたりしたら、重大な違反だから、
海上保安庁の船が、ものすごい勢いで追いかけてくるはずである。(笑)


KandoriMap.gif
紀伊半島東部の沿海航路



ま、とにかく、そのような事情から、梶取崎の沖は、現在でも、頻繁に
大型船舶が通ることになっている。私は、その船の灯火と、灯台の灯火を
セットで撮ってみようと考えた。



2009年4月30日、落合博満野球記念館付近から、梶取崎をのぞむポイントで
カメラを構え、日が暮れるまで待った。日没後、完全に暗くなり、わずかに空に
明るさが残る時間帯を待って、シャッターを切りはじめる。
長時間露出をするため、三脚とレリーズ(オリンパスE-510の場合はリモコン)は
必需品である。

そのようにして撮った写真が、いちばん上のものである。
沖を行く船は、長い光の線となる。その線と、灯台の光、暗礁を照らすスポットライト
の光のすじを対比させている。
露出時間などを参考にしていただければと思う。



ということで、本日の記事のまとめであるが、
梶取崎は、ここにくれば誰でもきれいな写真が撮れるということで
おすすめのカメラポイントである。南紀に旅行されたならば、
立ち寄ってみては、いかがであろうか。


梶取崎は、また、「和歌山県朝日夕陽百選の地」になっている。
朝早く起きれば、灯台の背後の海から、朝日が昇ってくるところを撮ること
ができる。いまごろの時期だと、朝5時ごろに起きて、運がよければ、
朝日と灯台をセットで撮れるだろう。朝に強い方はチャレンジされる
のもいいと思う。

また、梶取崎の南、500メートルほどのところにある平見台園地は
枯木灘の代表的な風景が撮れるポイントである。梶取崎を撮ったあと、
ついでに、そこにも立ち寄ってごらんになるといいだろう。



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