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CB750の欠点 [オートバイの話]

CB750に、まる5年間、乗っているのだが。


CB750_2.jpg
赤城山オートキャンプ場にて

CB750は不人気車だけど、実際には非常によくできた、
優れたオートバイであり、私にとっては、
5年間乗ってきて、とくに大きな不満というものはない。
けれども、工業製品であるからには、やはり、欠点という
ものはある。長期間乗っていると、そういったものが、
だんだん、わかってくる。

そこで、今回はCB750の欠点に関するお話。
基本的に同じオートバイであるナイトホーク750にも、
共通である。


1. レギュレータが弱い

reg.gif

出所:CB750パーツリスト

私のCB750は、新車で購入してから約1年でレギュレータが
不良となり、クレームで交換してもらった。
しかしながら、その後、4年間が経過し、
再び、思わしくない状況になっている。
これは、CB750の大きな欠点であるとみられる。

そもそも、レギュレータとはなにか。

そうおっしゃる方のために、ガソリンエンジンの
電装系について、簡単に説明しておく。
まず、エンジンがまわると、オルタネータという
交流の発電機をまわす。そこで発生した電気は
交流であり、レクチファイアという整流器により、
直流とされる。
そこから、ライトや点火系などに電気が供給されるのだが、
その一方で、バッテリーの充電にも電気がふりわけられる。
そのふりわけを行う部品が、レギュレータといわれるものである。

で、レギュレータが故障するとどうなるか。

バッテリーに電気が供給されないわけだから、
走っているうちに、どんどんバッテリーの電気
は消費されていき、ついにはカラになってしまう。
つまりは、バッテリーが上がってしまうわけである。
レギュレータが正常に機能しているかどうかを
チェックするためには、テスターを使って、
バッテリーの+端子と-端子に来る電圧を計測
すればよい。エンジンの回転を上げたとき、
13.5~14ボルトくらい、来ていればOKである。

私のCB750の場合、新車から約1年で12.8ボルト
しか来ない、という状況となってしまった。
結果として、私はバッテリーを上げてしまった。
で、前述のように、クレームによりレギュレータを
交換してもらった、というわけである。
けれども、それから4年経過して、最近はどうも
調子がよくない。そのため、バッテリーに負担が
かかりがちである。

なんで故障するのか。

理由は熱にある。レギュレータの中身であるが、
大電流に耐えられるパワートランジスタが
何個か入っている。これ自体、熱を出すものだし、
さらにはエンジンも熱を出す。
で、放熱が悪いと、どんどん熱がたまっていき、
ついには壊れてしまうというわけだ。

CB750は、750CCもの排気量でありながら、
空冷のエンジンである。だから、そもそもエンジンからの
発熱量が大きいし、それに加えて、レギュレータを
搭載している位置の放熱が悪い。
ということで、どうしても故障しがちになるのである。

レギュレータの故障については、とりわけCB750の
初期型のユーザーからクレームが相次いだようで、
私が乗っている2004年型のレギュレータは、
放熱を強化した対策品となっている。
が、その効果はいまひとつであり、4年も乗っていると、
結局は劣化してきた。

ということで、交換しなければいけないのだけど、
まあ、バッテリーが元気な夏のうちは、なんとか持たす
として、冬になったら交換しなければなあ...
と思っているところである。

※多くの場合、レギュレータとレクチファイアは一体の部品となっている。


2. エンジンオイルの劣化が激しい

CB750の取扱説明書によると、エンジンオイルの交換は
6000kmおきとなっている(82ページ)。
けれど、経験的に言って、とてもではないが、そんなには
持たない。私自身は、冬場は3000~4000kmくらい、
夏場は2000~3000kmくらいで、交換するようにしている。

ちょっと機械に詳しい人であれば、
「空冷エンジンなのだから、当然じゃないか。」

とおっしゃることだろう。
それはそのとおり。
わかってはいるんだけど、それにしてもなあ、というのが、
乗っている者としての実感である。

基本的に、空冷エンジンというものはオーバーヒート
しやすいし、その熱により、エンジンオイルが劣化しやすい。
あたりまえのハナシである。
CB750の場合、オイルクーラーが装備されているけれど、
あんなもん、気休めにすぎない。

夏場に渋滞したところを走ったりすると、一発で
オーバーヒートするし、そうなると、エンジンオイルは、
簡単に劣化してしまう。
オイルが劣化するとどうなるのか。
基本的には、1)ベースオイルの劣化と、2)添加剤の劣化
という現象が起きる。

1)ベースオイルの劣化
現在のエンジンオイルは、燃費性能を向上させるため、
10W-30や10W-40といった、比較的、さらっとしたオイルが
主流となっている。で、エンジンがオーバーヒートすると、
粘度の低いベースオイル成分が蒸発してしまい、
粘度が高く、ねっとりした感じになってしまう。

そもそも空冷エンジンの場合、ピストンとシリンダー壁の間の
クリアランスが、水冷のエンジンよりも広くなっている。
そのため、このクリアランスを堅めのオイルで被膜を作り、
埋めた方がいい。具体的にいうと、高温がわの粘度が高い
オイルを選んだ方がいいのである。

それはそうなんだけど、だからといって、粘度の低い
低温がわのベースオイル成分が蒸発により失われてしまうと、
始動性および燃費が悪くなってくる。
ということで、交換となるわけである。
ベースオイルの劣化については、急速に起こるというもの
ではなく、徐々に起こる問題である。

2)添加剤の劣化
これについては、みためで判断するのはむずかしい。
私はギアが入るときの音とか、エンジンが回転する
ときの音などで判断しており、少し大きくなったな、
と思ったら、交換するようにしている。

エンジンオイルには、たくさんの成分の添加剤が含まれている。
このうち、オーバーヒートにより劣化するのは、
主として酸化防止剤と減摩剤である。
これは経験から言って、徐々に劣化するものではなく、
一度でもオーバーヒートしたら、もう終わり、である。
私はオイルを交換してすぐに、真夏の湘南に行ってしまって、
渋滞でオーバーヒートさせたことがある。
それで、500kmも走らずにオイルを交換するはめに
なってしまった。


ちなみに、CB750の場合、メーカーが指定しているのは
G1というオイルであり、その粘度は10W-30。
これだと、経験的にいって、夏場は2000kmくらいしか
もたない。
そこで、私は低温がわと高温がわの粘度を上げて、
S9の20W-50※ を入れてみた。
多少、オーバーヒートには強くなったけど、
効果はいまひとつ。
思い切って、海外製の20W-60というオイルをおごってみた
こともあるけど、高価なわりには、オイルの寿命、その他には、
まったく関係はなかったな。
ということで、メーカーが指定しているG1に戻し、
そのかわり、早め早めに交換することを心がけている。

G1.JPG
CB750に指定されているホンダG1
出所:http://www.honda.co.jp/motor-parts/ultraoil/


※S9の20W-50は、現在は生産中止となっている。
※市販されているエンジンオイル添加剤(テフロン系、二硫化モリブデン系
 など)を混入することは、まったく意味がない行為である。




3. 普通すぎる(笑)

まあ、これについては、評価がわかれるかもしれないけど、
あまりにも普通すぎて、ぜんぜん目立たないから。(笑)
いまの若い方で、オートバイが好きという方は、
大型自動二輪免許を取ったら、さっさと1000CC以上
の大型オートバイを買ってしまう。
だから、そもそもCB750なんか、買う人は少ないだろう。
それで正解である。

「でっかいオートバイに乗りたくて、大型二輪免許を取ったのに、
なにが悲しゅうて、400CCよりもちっこいナナハンなんかに
乗らにゃいかんのか。しかも、これって教習車じゃん。」


という気持ちは、私にも、よーくわかる。(笑)

実際には、CB750は見ためと違って、それなりに速い
オートバイなんだけど、ま、多くの人にとっては、
べつにそんなの関係ないし。
そういうことで、こういってはなんだけど、
オートバイが好きな人には、あまりおすすめできない。

ちなみに、私自身は、たまたま現在、旅をするための道具として、
オートバイを選んでいるにすぎず、オートバイそのものは、
べつに、好きでもなんでもない。
ていうか、私には、オートバイが好き、という人の気持ちは、
いまひとつ、よくわからないのである。

だって、たかがオートバイに、100万円以上も出す気になんか、
ぜったい、なれないもんなあ。(笑)


だから、私は約70万円で買えるCB750を買ったわけだし、
それで十分満足しているのである。よく走ってくれて、
燃費もいいし。故障が少ないから、ふだんはオートバイの
ことなんか、忘れていられるし。
CB750は、そういった、ごく普通の人が乗るべきオートバイである。

ま、これは立ち位置の違いというものであり、
いろいろなご意見、あるいはご批判があるだろうけど、
これだけは言える。

オートバイが好きな人は、
CB750を買ってはいけない。(笑)




ということで、本日の記事のまとめであるが、
CB750は、非常によく出来たいいオートバイであるが、
欠点もある。現在、購入を検討されておられる方は、
参考にしていただきたい。


そのCB750であるが、現在はラインアップには残っているものの、
生産中止となっており、後継車に関する情報もない。
ホンダは、需要のほとんどが警察用車両のVFRと、
同じく、ほとんどが教習用車両のCB750をディスコンにして、
すべてCB1300に統合するつもりなのだろうか。

けれども、約70万円のCB400SFの上は、一気に
約110万円のCB1300、というと、壁が大きいよなあ。
ベテラン向けに、排気量600~800CCくらいで、
80~90万円くらいの車種があってもいいと思うんだけどなあ。



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