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上級救命講習を受けてきた [ひとりごと]

東京救急協会主催の「上級救命講習」を受けてきた。


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財団法人 東京救急協会

救命講習を受けようと思った動機は、交通事故などでケガをして、
心肺蘇生措置が必要な人を目の前にするような状況になったとき、
少しでも冷静に対処できるようになっておこうと思ったことと、
もうひとつは、ちかごろよく目にするAED(Automated External
Defibrillator=自動体外式除細動器)なる機器の使い方を
覚えておきたい、と思ったからである。


AED  出所:東京救急協会
  
 

私は、かれこれ19年ほどオートバイに乗っているのだけど、
その間に、事故を起こしたオートバイ乗りのために救急車を
呼んだことが、3回ある。その人の性格にもよるけれど、
救急車を呼ぶ機会というのは、意外と多いものなのである。

1回目は、乗用車と接触して転倒し、倒れていたオートバイ乗り
を見かけたときであった。その乗用車は逃げてしまい、
しかも後続車は誰も停まってくれなかったとのこと。
私が通りがかるまで10分くらい、見捨てられていたという。

2回目は、渋滞していて路肩をすり抜けていたら、トラックの
ダブルタイヤに巻き込まれてしまったというオートバイ乗りであった。
当然のことながら、そのトラックは逃げてしまい、後続車も
誰も停まってくれなかった。やはり、私が通りがかるまで、
ずっと見捨てられていた。

3回目は、私の目の前で起こった。対向車線を走っていた
スクーターが、いきなり側溝にはまって転倒。
運転者は、1回転して道路わきの草むらに投げ出された。
同行の若い人は動転してしまって、冷静に行動できそうに
なかったので、かわりに私が救急車を呼んだ。
あのときは、びっくりしましたよねー。三浦半島の住人さん。

ということで、私の場合、事故を起こしたあと、見捨てられていた
オートバイ乗りのために、救急車を呼ぶということが多かったのである。

ま、世の中、そんなもんである。

オートバイで事故を起こして倒れた人を見かけても、
ドライバーのほとんどは、見て見ぬふりをして行ってしまう。
仕事でクルマを運転している人は、納品に遅れたり、仕事上の
約束に遅れたくないから、さっさと行ってしまうし。
仕事で運転しているのではない人でも、関わりあいになるのを
嫌がり、たいがいの人は無視して行ってしまう。
あるいは、雨が降っていたり、寒かったりしたら、
クルマを降りるのが面倒くさいという、ただそれだけの理由で、
そのまま行ってしまうのである。

これは、地方にもよると思う。
関東の場合、ルールを破って事故を起こすような人間に対しては
そもそも冷たいし、また、ことなかれ主義が定着しているから、
無視して行ってしまうことが多いのだ。さらには、横並び意識が
強いから、一人が行ってしまうと、連鎖反応的に、みんなが無視
して行ってしまう。
他の地方、例えば関西などでは、かなり事情は異なるとは思う。

ということで、ケガ人が倒れているところに通りがかって、
救急車を呼ぶのは、どうしても、私のようなヒマ人にその機会が
まわってくる。私の場合、仕事でクルマやオートバイを運転する
ということはないから。遊びで乗っているわけだから、救急車を呼んで、
20分くらいムダにしたところで、べつにどうということもない。
納品に遅れて、荷主にどやされるわけでも、うしろに乗せた客に
「いいから、さっさと行け!」と怒られるわけでもないのである。
 

ま、救急車を呼んで、人の命を助けたからといって、
いいことは、ひとつもないけどね。
救急隊員は、「どうも、ご苦労さまでした。」とか言って、
さっさと行ってしまうし、ケガをした人にお礼を言われたことも、
一度もない。みんな動転していて、それどころではなかった。

ほんと、バカみたいである。
(-_-;
 
 
話を救命講習に戻そう。

講習の内容は、人工呼吸、心臓マッサージ、AEDの取扱といったもの。
私は昔、ボランティアで子どもたちにバスケットボールを教えていたときに、
半日の講習を受けたことがある。だから、人工呼吸、心臓マッサージなどは
知っていた。新しい内容としては、AEDの操作があった。
AEDは心肺蘇生において、劇的な効果を発揮する。AEDを使わずに
人工呼吸や心臓マッサージを行っても、蘇生率は低いようだ。
だから、近くにあったら、是非とも使った方がいい。現在では、駅とか市役所、
学校などには、ほとんど置いてあるから。その使い方であるが、

あんなもん、簡単である。

AEDの使い方については、ここに動画がおいてある。
これを見れば、十分、理解できると思う。ちなみに、AEDを使うのに、
べつに講習を受けている必要はない。誰がやってもいいのである。

ま、呼吸と心臓がとまって死にかけている人を目の前にしたら、
ふつうはびびってしまって、冷静には行動できないと思うけど。
私なんか、血液を見るのが怖いので、血まみれになって倒れている人を
見たりしたら、自分が要救助者になってしまいそうである。(笑)
じっさい、救急車を呼んだときは、ケガ人が搬送されたあと、
一人で吐いてしまったし。
けれども、一人で対処するのは難しいかもしれないけれど、同じような
知識を持っている人が何人かいれば、協力しあって、救助に加われる
かもしれない。最初は、それくらいの気持ちでやった方がいいだろう。
 
 
ということで、救命講習であるが、費用は教材代だけであるから、
時間がある人は、受講しておくといいかもしれない。
申し込みは、東京都の場合ここから可能である。
半日、もしくは1日を人のために使うというのも、たまにはいいだろう。

個人的には、事故を起こして倒れている人をみかけたときには、
誰もが助け合おうとする社会というものをめざすべきである、と
思っている。
こんなことを言うと、また、「中年オヤジが、エラそうにキレイごとを
書いてやがる。」などと思われてしまうのかもしれないけれども、
やはり、人は人の命を助けるのに、消極的になってはいけないと
思うのである。安心して暮らせる社会をめざすには、まずは、自分から
行動する勇気を持つことが必要である。
とりわけ、若い方には、そのように思っていただきたいのである。
 



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