So-net無料ブログ作成

シリコンプラグコードに効果がない件について [オートバイの話]

先日書いた電気系統のアクセサリーに関する記事に対しては、
いろんなご意見があった。なかでも、シリコンプラグコードが
意味がないことに対しては「なぜか?」という質問が複数
寄せられたので、あらためて解説させていただくことにする。

 
 
メーカー純正、ノーマル状態のイグニッション系の配線を
図にすると、以下のようになっている。
 

イグニッション系配線の抵抗値

 

まず、メーカー純正のカーボンプラグコードは、1メートル
あたりの抵抗値が16キロΩとなっている。それは、ちゃんと
そういうふうに決められているのである。それに対して、
社外品のシリコンプラグコードは、ふつうの銅線であるから、
抵抗値はほぼ0である。
ここで考えていただきたいのは、なぜ純正のプラグコードには、
抵抗が入っているのかということ。意味もなく、抵抗を入れる
わけはないのである。
 

その理由を説明する前に、プラグコードの先にあるプラグキャップ
について。ここにも、しっかり抵抗が入っている。その抵抗値は
約5キロΩ。さらには点火プラグであるが、現在のオートバイでは、
純正で指定されている点火プラグは、ほとんどが抵抗入りである。
私のCB750を例にとると、「DPR8EA-9(NGK)」とか「X24EPR-U9」
(デンソー)という点火プラグが指定されているが、それぞれ
下線のRというのはレジスターの略で、要するに抵抗入りである。
この抵抗値は約5キロΩ。

「えー、それじゃあ、いくらプラグコードの抵抗値を減らし
ても、あまり意味ないじゃん。」と思われた方、正解である。
プラグコードの抵抗値だけを0にしても、あまり意味はない。
さらには、「なんで、わざわざプラグコードとか、プラグキャップ、
点火プラグに抵抗なんか入れるの?」
と思われた方も多いだろう。もちろん、抵抗を入れる理由は
ちゃんとある。その理由は(電気的な)ノイズ対策である。
 
 
読者の多くは、オートバイだけでなく、クルマにも乗ることが
あるだろう。で、クルマに乗っていて、そばをオートバイが
通ると、ラジオにノイズが入ったことはありませんか?
あるいは、家でテレビを見ていて、近くをオートバイが走ると、
画面に横線が入ったことはありませんか?
 

鉄板のボディで囲われているクルマならともかく、オートバイ
はエンジンがむき出しであるから、ノイズをさえぎるものが、
なにもない。そういった意味では、われわれオートバイ乗りは、
多かれ少なかれ、社会に迷惑をかけながら走っているものなの
である。まずは、そういった認識を持つべきであろう。
 
だからこそ、できるだけノイズが出ないようにしたいものだ。
現在のクルマは、精密な電子機器であるから、われわれの
オートバイが出すノイズが原因で、誤動作を引き起こす可能性も
あるし、また、現代社会では携帯電話やETCなど、ギガヘルツ帯の
通信を多用している機器が多い。その通信にノイズを入れて、
迷惑がかかることがないようにしなければならない。
それが、イグニッション系の配線に抵抗を入れることの意味である。
抵抗を入れることにより、電流のピーク値を抑えて、ノイズの発生
を減らしているのである。
 
 
ここで注意しなければならないのは、点火プラグにおけるスパーク
そのものは、シリンダという金属でできた密室のなかで起こっている
現象であるから、あまりノイズの発生源とはなっていないということ。
ノイズの発生源となっているのは、主としてプラグコードである。
これが、まるでアンテナのようになって、ノイズを飛ばしまくる。

現在、市販されているシリコンプラグコードを見てみると、
NGKなど一流メーカーの製品は、コイル状に鉄線を巻いて、
ノイズが漏れないようにする姿勢を見せている。
NGKはプラグコード装着に関するデータを公開しており、
それを読むと、「はっきり言って、あまり効果はありません。」
ということを明確にしているから、好感がもてるし。
けれども、インチキメーカーの製品は○馬力アップ、トルクアップ
などと、ワケのわからないことを書いてあるうえ、ノイズの防止に
ついても、あまり対策をしているようには見えない。
 
だから、見ためを重視して、インチキメーカーのシリコンプラグ
コードを使うことが悪いとは言わないけれど、それによりノイズ
を撒き散らしている可能性は否定できないから、そのことは
認識しておいた方がいいだろう。
 
 
まとめると、シリコンプラグコードには、なんの意味もない。
ていうか、たかがコードを替えたくらいで、出力がアップするとか、
燃費が向上するなんて、本気で思っておられる方なんていない
はずである。要するに、見ためのかっこよさだけで、取り付けて
いらっしゃる方がほとんどであろう。
それはそれで結構なことだけど、社外品のシリコンプラグコード
はノイズを撒き散らす原因になる可能性があるから、できれば、
効果がほとんどないことを承知したうえで、一流メーカーの製品を
使っていただくか、あるいは、メーカー純正のちゃんと抵抗の入った
カーボンプラグコードを使っていただきたいものである。
 



共通テーマ:バイク